平成28年7月26日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
私のほうからは特段ございませんので、質問がありましたらどうぞお願いします。

2.質疑応答

(記 者)
幹事社から2問、お伺いします。まず、ロシアのドーピング問題ですけれども、リオオリンピックへの出場に関して、IOCが各競技団体に任せるという方針を示しました。日本政府としてどういうふうな方向に、この議論が向かうことを期待しておられるか、お伺いできますか。
(大 臣)
オリンピック憲章では、どのような選手がオリンピック大会に参加するかという決定権はIOCが有しているということになっておりますので、今回のIOCの決定は最終的なものとして受け入れざるを得ないものだと思っております。
ただ、日本はWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の常任理事国でありますし、そうした活動が世界の中で大変貢献をしていると自負をしております。私もかつてWADAの常務理事を務めたこともありますが、そういう観点からも、WADAからの提言とは異なる判断をIOCが行ったということについては、大変残念に思う点もあります。
(記 者)
もう一点、政務の話になりますけれども、今朝の自民党役員会で、谷垣幹事長の病状に関してお尋ねがあったようですけれども、大臣も谷垣派の幹部、重鎮でもいらっしゃいますし、この間の病状の推移、また今後の復帰の見通しに関しては、どういうふうに伺っていらっしゃいますか。
(大 臣)
まず、谷垣派というのは政策研究会であり派閥ではないということを御承知いただきたいと思います。
谷垣幹事長については、いろいろな報道がなされておりますが、私はまだ谷垣幹事長の現在の病状については承知をしておりませんので、今コメントするのはふさわしくないと思っております。ただ、長年一緒に活動してきましたので、大変心配をしております。
(記 者)
間もなくリオデジャネイロオリンピックが開幕しますけれども、大臣、東京五輪の成功には結果が必須だということをおっしゃっていますけれども、そのステップとしてのリオでは、JOCなんかは具体的なメダル獲得数目標を出されていますが、大臣としてはどの程度の結果であれば十分な結果であると言えるとお考えでしょうか。
(大 臣)
具体的な数字について、たしかJOCは金メダル14個とおっしゃっておりますが、少なくともロンドンを上回って欲しい。私は「東京オリンピックのときは少なくとも30個ぐらい欲しい」という話をしていますが、少なくとも一人一人の皆さま方に努力をしていただいて、また、いろんな皆さまと協力していただいて、14個を上回るような成果をぜひ出していただきたいと思っております。
(記 者)
それに関連して、スポーツ関連予算は右肩上がりですけれど、その選手協会に投入される国費もそれに伴って増えていると思うのですが、大臣はその旗振り役としてずっとやってこられて、そういう結果に対する、税金が投入されて、その評価に対する厳しいところも出てくると思うのですが、そういう責任、結果に対する責任みたいなところは、どのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
スポーツというものについて私もずっと取り組んできました。それぞれの選手がすばらしい成績をあげ、そしてそれが例えばオリンピック・パラリンピックあるいは世界選手権大会で金メダルといった結果だったときに、多くの国民の皆さまがそれによって感動し、またそうした選手の皆さま方の行動に敬意を払うわけですから、そういう意味でも国としてスポーツ政策に取り組み、また、そうした選手の皆さまの強化費を国が負担するというのは、国の政策としてあっていいと思っております。
責任についてはまだこれからリオでどういうふうになるかわかりませんが、少なくともそれぞれの皆さまが最善の努力をしていらっしゃいますから、間違いなく前回以上に、また、国民の皆さま方に期待していただけるような成果を出していただけると思っております。責任がどうこうという議論は今の段階ではないと思っています。
(記 者)
先ほどのロシアのドーピングの件に戻るんですけれども、IOCの判断について、大臣は「受け入れざるを得ないけれども残念だ」とおっしゃいまして、その判断については弱腰だという批判も聞こえているんですけれども、ちょっとその残念だという点について、もうちょっと具体的にお願いします。
(大 臣)
私、先ほど言いましたように、WADAの常務理事もかつて務めておりましたし、IOCがWADAに対していろいろな判断を示すようにというふうなことがあったわけですから、そうしたWADAの判断が、そのとおり実現されなかったという意味では、やはり残念な面もあるかなと思っております。
ただ、先ほど言いましたように、オリンピックに参加をさせるという決定権はIOCにありますから、IOCがいろいろな面を考慮して、もちろんただ無条件に認めるわけではなくて、その競技団体がそれぞれしっかりと判断をし、それを受けて最終的にまたIOCが決定をするということでありますから、IOCがしっかりとした対応をされるものと期待をしております。
(記 者)
それに関連してなんですけれども、IOCの決定は結局IFに判断を押しつける、先ほどの質問でもありましたように、そういう弱腰というか、大会までの期間が余りない中で、IFとしてももう判断できないような時期に押しつけられても困るという面があると思うんですけれども、この決定のタイミングですとか、そのあたりについては、大臣どのようにお考えですか。
(大 臣)
この問題についての提案、「こういう問題がありますよ」という提起についての時期的な問題もあって、今回の日程になったんだろうと思います。ただ、スポーツにとって最も大事なのはインテグリティ(高潔性)と言われますが、そうしたものに反する行為でありますから、やはりそこはしっかりとした対応を、IOCとしてもしなければならない。ただ、現実に一人一人、どこまで判断できるかというようなことも、IOCそのものも調査というところを含めれば、IFにお願いをして、そしてIFがこれまでの経歴等を見て、そして対応し、それを最終的にまたIOCが判断するというようなことでありますから、日程的にぎりぎりの段階でということはあるかと思いますが、そうしたことを踏まえて、IOCの決断を私たちは受け入れざるを得ないのだろうと思っております。
(記 者)
関連でもう一点なんですけれども、今回、IOCがこの問題の告発者に関して、過去のドーピングを理由に出場停止という判断をしたんですけれども、これによって今後、告発を妨げる、その勇気を妨げることになるんじゃないかという声も出ているんですけれども、この判断について、大臣はどのようにお考えですか。
(大 臣)
そこは、私たちから見て、どれが正しいかというのは、その告発された選手のこれまでの状況等の問題がありますから、私からこれがふさわしいのかどうかというコメントについては、少し難しいと思います。ただ少なくとも、やっぱり企業のいろいろな問題についての告発もそうですが、やっぱり不正を許さないという姿勢については、高く評価をすべきだというふうに思います。
(記 者)
大臣、先ほどWADAの勧告を支持するような御発言をされていましたけれども、それというのは、ロシアの選手団の参加というのを、全体的にやはり締め出しをするべきであるというようなお考えだということなんでしょうか。
(大 臣)
先ほども言いましたように、その決定はIOCがされるわけですから、IOCの判断は受け入れざるを得ないと思います。ただ、日本は世界のための最もアンチ・ドーピングの活動については積極的に進めてきましたし、これまでもゼロではないわけですが、少なくともそうした選手がアンチ・ドーピングで失格になったり、あるいは出場停止になったというのはほとんど例がなかった。それだけ日本という国は積極的に取り組んできましたし、日本選手もそうしたことによって評価されているわけですから、そういう意味でも、こうしたドーピング問題があって、そしてWADAから指摘をされるということ自体が大変残念なことであります。WADAが指摘して、それがなかなかそのとおりにならないというふうなことについては、一個人としては大変残念であります。
(記 者)
これからIPCの方も同じような判断を下すことになるわけですけれども、IPCの理事会に際しては、どういうような判断を期待されますか。
(大 臣)
IPCもやはりIOCと同じように、WADAの判断を受け、そしてそれぞれの選手、あるいは国の対応を考えて、最終的に判断されると思っております。