平成28年12月20日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。こちらから申し上げる点が一点ございます。22日に東京の湾岸地区の視察に出かけます。セキュリティと輸送との二つの観点でまいります。
 まず晴海ふ頭周辺の海上警備対策の確認で、海上保安庁の巡視船から洋上訓練を視察させていただきます。テロ対策と海上の火災発生への対応というものです。
 それから、今有明やお台場地域の会場が集中しているところの交通対策で道路工事をしておりますけれども、既存の第二航路海底トンネルに並行して建設している南北の臨港道路、海の森の方に向かって延びる道、端は都でつくって、真ん中のトンネルの難しいところは国がつくるというこの道と、それからお台場と大井を結ぶ道、首都高湾岸線のトンネルがもう既に掘ってあるんですが、それに並行して、この慢性的な渋滞を解消するための一般道を掘っております。国道357号線といいますが、この道の建設現場を見にまいります。何しろ大井から青海のあたり一帯の物流の維持が非常に大きなテーマになろうと思いますので、しっかり今の整備状況を見ながら、運用面でどういう対応が必要になってくるのかということもよく見てまいりたいと思っております。以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 一点おうかがいします。東京オリンピックのバレーボール会場について、都が有明アリーナということで先週末、先週の金曜日に公表しましたが、その時間かかった割にといいますか、既存施設の活用ではなくて現行計画どおりに3会場がなりました。反面、総額で400億円を超える整備費の削減ができたというような声もありますが、一連のこの決定に至るまで、有明も含めてですけど、どのように大臣は評価していらっしゃるかということをお聞かせください。
(大 臣)
 まず、コストの抑制ということを皆でオープンな場で協議をする一つのきっかけとしてIOCも入って議論する場ができたというのは非常に意義が深かったと思います。私はこの枠組みというのはこれからも非常に有効なものであると思っておりますので、まず競技会場という観点で議論させていただきましたけれども、これからも様々な運用面の費用の課題について議論する機会があれば、前向きな解決をもたらすのではないかと思っております。都知事も全体で見直しの結果400億円削った上に、さらにはレガシーを一体どうするのかというお考えを改めて取りまとめて臨まれるというお話でもありますので、やはりスポーツをする機会を持つ、あるいはスポーツに触れる機会を持つことによって東京、また全国の皆さま方が生き方の創造をする、これはオリンピズムの考え方ですけれども、新しい機会をつくるという意味においては、私は前向きに進んだという思いを持って歓迎をしております。
(記 者)
 明日、4者協議が開かれるということで、五輪の経費の総額も示される方向で、以前から総額を早く出してほしいと大臣はおっしゃっていましたが、期待感を教えてください。
(大 臣)
 私個人のみならず、前の大臣のときから国会で大変大きな関心を持って幾度も質問が出続けていたことですので、大枠でも大会の経費というのが示されるというのは大変大きな前進だと思います。ただ、不確定な要素がまだ積み残しになっておりまして、競技会場は決まりましたけれども、まだそれに付随することや、あるいはまたこれからそれをもとにつくり上げていく計画の中で発生するコストもありますので、この総額をもって上限・下限という話はまだ少し早いのかなと思っております。
(記 者)
 関連なんですが、その予算が示されて、またそれが組織委員会の原案が示されると、それをたたき台に役割分担の協議が再開するということになると思うんですが、そのスケジュール感について分かる範囲で教えていただけますか。
(大 臣)
 希望としては、できる限り早く前に進みたいという思いであります。昨日改めてこの前のデブリーフィングを振り返ったのですが、やはり経費の面も含めて役割分担を早く議論して進めていくというのは非常に重要だということをリオの関係者の方も触れておられましたので、私たちとしてもできる限り早くこの協議を前に進めたいと思っています。
(記 者)
 続けて関連なんですが、それで国に関しては、もちろん追加の新国立以外の負担については、東京都が先に説明をするものだということで、この辺のところは追加については考えていないというスタンスでしょうか。その辺については、今後負担を求められた場合に、何らか対応を協議するというのはあるんでしょうか、改めて。
(大 臣)
 まず東京都がどうしたいかというところを聞かないと、私たちは何とも答えようがないというのが正直なところであります。閣議了解についてはもう皆さまよくご存知だと思いますけれども、まず既存の経費の中で公共事業的なものは優先配分をするわけであり、補助率は今までの補助率の中で行うということは決まっているわけですので、それを前提にした上で、なお東京都が「いや、これは国に負担してもらわないと困る」となる場合は、やはりなぜそうなのか、なぜ国でなければならないのか、東京都では無理なのかというところをしっかり私たちにも納得できる、私たちが国会でも国民の皆さまに説明できる形でお示しをいただくことが大切だと思っています。
(記 者)
 今の質問に関連すると思うんですが、東京都以外の開催会場を抱える自治体の費用負担について、大臣のお考えをお伺いしたいんですけれども。東京都以外で会場が幾つかありますよね。その地元の自治体の費用負担について大臣の考えをおうかがいしたいんですけれども、3者の協議がこれから進んでいって、いずれ地元との協議ということになるというふうに思うんですけれども、ご承知かと思いますが、地元には、東京都以外の自治体には大会運営費を組織委員会が担うとされていた仮設について地元負担が増えるのではないかという懸念が今出ております。そういったことを前提に、まず地元の地方自治体、東京都以外の地元の自治体の負担のあり方というものについて大臣はどのようにお考えになっているのかということが一つと、その自治体側に、例えば原則を踏み外したといいますか、過分な負担を求められた場合に、国に対しても支援を求めたいというような声もあるようなんですが、それに対してはどのようなお立場で臨まれるかということをおうかがいします。
(大 臣)
 まず、事務方でまずご説明をしたときに聞いている話としては、自治体の皆さま方のご要望としては、「どこの自治体はこう、ここの自治体はこう」というばらばらにするのではなく、おしなべて皆同じ方法・基準・考え方で対応してもらいたい、というご要望であったそうですので、まず基本的な考え方をきちんと整理することが必要なのだろうと思います。その上で、ことさら仮設のことについては、まず組織委員会が招致ファイルから考え方を変えるのかどうかという、正に基本の考え方をどうするのかということを東京都に示した上で、その両者が合意した着地点をわれわれがどう受け止めるかという話になるので、われわれが先に関係自治体に対してどのような考え方で臨むという以前の基本的考え方をまず着地させていただく必要があろうかと思っております。大変ご心配いただいていることですので、これは東京都においても、組織委員会においても、関係自治体の皆さま方が議会を抱えて大変気にしておられるという意識を共有して今後話し合いを進めていかれるものと理解をしております。
(記 者)
 先ほどのご回答で、国と政府と組織委員会の関係の中で、大臣が「なぜ東京都が負担できないのかという説明がなければいけない」というお話をされていました。同じことは地元自治体も、今まで前提とされた枠組みがあると思うので、なぜ、都だったり組織委員会が負担できないのかという説明が必要になってくるかと思うんですけれども、その辺りはどうでしょうか、そのお考えは如何ですか。
(大 臣)
 東京都の財布の話は東京都がなさることだと思います。法律の上で何か障害があるかないかということで、東京都に問われれば、もし必要であれば、われわれの見解をお示しするということになるのだと思います。
(記 者)
 同じように、地元自治体に対しても、都がなぜ出せないのか、負担を求める場合には、東京都以外の自治体に対しては、そういうきちっとした説明が必要であるというふうに大臣はお考えですか。
(大 臣)
 というのは、その自治体も議会を抱えていて、知事が議会に説明しなければいけません。当然その知事は、なぜ自分たちがそこは引き受けたのか、それを引き受けるに当たって、「○○というこういうことで、われわれの負担は○○である」といった説明を、東京都なのか組織委員会なのかは分かりませんが、何らか受けた上でこうなっているという説明をしないといけませんから、その説明がきちんとなされることが当然必要だろうと思います。
(記 者)
 同じように、地元自治体に対しても、都がなぜ出せないのか、負担を求める場合には、東京都以外の自治体に対しては、そういうきちっとした説明が必要であるというふうに大臣はお考えですか。
(大 臣)
 IOCが今までの経験を踏まえた上で「まだ削れる」とおっしゃっています。1.6とか1.8とかいろいろな数字が出ていますが、それをどのようにIOCが見るかということはまず一つの基準になろうかと思います。その上で、不確定なところというのは挙げれば切りがないんですけども、暑さ対策もそうですが、輸送、セキュリティ、全部積上げの数字が出ているかと言われると、詰めた数字ではないので。
(事務方)
 集中豪雨対策、広域化に伴う輸送、宿泊などですね。そうしたものは十分盛り込まれているとは言えない状況です。
(大 臣)
 営業補償など、まだどうするのかということ自体が方向性が決まっていないものも含めてありますから、本当に丁寧に積み上げていってもその枠かどうかということは一方でよく見ておかなければなりません。
(事務方)
 競技施設の追加などもあり得ます。
(大 臣)
 そうですよね。恐らくそれも踏まえてクッションをつくっていただいていると思いますが、クッションが十分かどうかというのはちゃんと見ないといけないですね。

(以    上)