平成30年3月9日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。まず、明後日3月11日、東日本大震災発災から7年目を迎えることになります。7年経過して被害が大きかった地域、比較的そうでなかった地域で、復興の進捗状況も色々と差があると思っておりますが、まずは平成32年度、国が定めた復興期間のうちに、復興を完遂するということに、全力で取り組まなければならないと思います。組閣に当たりましても総理から、全閣僚が復興大臣のつもりで取り組むようにという指示もございます。政府挙げて、復興の完遂に向けて努力しなければいけないと、改めて3月11日を迎え強く思っております。あと私の立場から言えば、2020年東京大会は復興オリンピック・復興パラリンピックということもずっと言われております。国際社会から御支援を頂いて、復興がここまで進んできたという姿を2020年大会を契機に世界に発信しなければいけない。それだけに復興に全力投球して復興を前に進めるということが、2020年大会の成功に繋がります。2020年大会を成功させるためにも、復興を前に進めるというような循環をつくり上げてやってまいりたいと思います。また被災地の方々にも、オリンピック・パラリンピックを通してスポーツから元気と勇気を得ていただきたいと思います。そして今手がけております、復興「ありがとう」ホストタウン、こうしたものもさらに手を挙げていただくところが増え、また活動内容も充実したものにするというような形で前に進むようにしたいと思っております。
 二つ目ですが、今日の閣議ではサイバーセキュリティ基本法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。これはだんだん深刻化する、また頻発化するサイバー攻撃に対し、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を見据え、またその後も見据えて、こうしたサイバーセキュリティに対する対応をより充実させるということです。中身の基本は、国の行政機関、地方自治体だけではなく、重要インフラ事業者等、民間の関係機関にも入っていただいて協議会をつくり、その協議会において情報を共有化し対応を一体的に示していくというような体制づくりをつくるというのがこの改正案の基本的なものであります。情報を出してもらったり、共有しますので、関係者には守秘義務をかけていくということも一つの柱になっております。
 三つ目は、今日午後出発し平昌に行ってまいります。パラリンピックの開会式にも出席し、また選手村等も訪れ、バリアフリーなどのユニバーサルデザインがどうなっているのか、その他大会の運営等全般について視察をして、それを2020年東京パラリンピック大会に繋げていきたいと思います。かねてから申し上げておりますとおり、2020年大会はパラリンピックが成功して初めて、トータルとして東京大会が成功するという思いでおります。率直に言ってオリンピックと比べると、国民の皆さんの関心もオリンピックのほうが高いわけですが、平昌大会で日本選手の皆さんが活躍していただけると、パラリンピックに対する国民の皆さんの関心も高まり、理解が深まる。広く言えば、障害者スポーツ全体への理解が広まるということで、それがまた2020年大会の成功へ向けての機運を醸成することにも繋がるのではないかということを期待しているところでございます。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 今日、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が閣議決定されたと思うんですが、原則禁煙とうたいながら客席面積100平方メートル以下など、一部から骨抜きの法案だという批判もあるんですが、この法案自体、東京五輪に向けてという原則があるんですが、大臣としてお考えを。
(大 臣)
 法案がつくられるまでの経緯がございますから、そういう経緯を考えるとまずはこの法案が閣議決定されるところまで進んだということが前進であると思います。たばこのない、たばこフリーのオリンピック・パラリンピックという観点で言えば、今後東京都の条例でどうするのか検討されているということですので、そういうこともしっかり見極めた上で、必要な対応をとりたいと思います。法律、条例ができたら、もうそれでたばこフリーのオリンピック大会になるかというとそうでもなくて、これは周知等もしていかなければならないと思います。路上での喫煙が禁止されている東京都に限って言えば、23区のうち22区はそういう条例があるわけで、そういう例は海外にはあまりないと思います。ですから、そういうことを海外から訪れる関係者の皆様方、観客も含めて周知をするということも大切だと思います。平昌オリンピックに行った時にスケート場があり、そこにオリンピックパークがあるんですが、その一角に行くと建物があり、その建物の裏方にたばこの吸い殻が2本、3本ではなく、かなりたくさんの量があり、皆そこでたばこを吸っていたということですから、法律や条例ができればそれでいいということではなく、そういうことのないように徹底するということも必要ではないかと思っております。
(記 者)
 今、路上で禁止されるというのは、東京は珍しいとおっしゃいましたが、飲食店でたばこはほぼ自由に吸えるというのも、日本は先進国では非常にまれな国だと思います。
(大 臣)
 自由には吸えませんね。
(記 者)
 ほぼ自由です。
(大 臣)
 それはそれぞれあると思いますが、これも今までの協議の経緯がありますから、そういう中で今回、この国会での成立を逃すと、その前年の2019年ラグビーワールドカップ等もあるので、とにかくこの国会で成立させることが大切なことであると思います。
(記 者)
 北京やロンドンなど過去大会では、もう少し厳しいスモークフリーに向けて規制がされたと思うんですが、日本はそれに比べると大分劣っているというような批判もあります。この過去大会と比べて日本の対応については、どのように考えていますか。
(大 臣)
 過去大会も参考にしながら2020年に向けてしっかりと対応していきたいと思います。
(記 者)
 日本の基準は、過去大会と同様の基準になったとお考えでしょうか。
(大 臣)
 それはやはり凸凹があると思いますね。屋内の規制、屋外の規制、日本の方が進んでいるところもあれば、そうでないところもあるということだと思います。いずれにしてもトータルとしてのたばこのない東京大会に向けてしっかり準備を進めたいと思います。
(記 者)
 繰り返しますが、すると大臣としては、その法案については評価するということですか。
(大 臣)
 法案の中身については従来の経緯がありますから、それについては申し上げません。ただ、やはりこの国会で成立するということがスケジュール感的にも大切で、そういう意味では閣議決定されたということについては評価しております。
(記 者)
 先程ありましたけれども、改めて震災から7年ということで、復興の評価と今現状で被災地の人口減とか、なかなか課題も多いんですけれども、被災地選出の国会議員も、岩手なんかは減る中で、御自身の役割、これからどう考えているかお考えをお聞かせください。
(大 臣)
 やはり10 年間という目標を立てて復興を進めてきました。これは何としてもこの枠内で復興を完遂させなければいけないと思います。しかしそうは言っても、現実の話として福島もそうですが、例えば私の地元の岩手にしても、全てがそれまでにやり遂げるかどうか、やはり残事業が出る可能性というのは高いと思います。今まだそういうことを言う段階じゃないと思いますが、やはり平成32年度で復興庁はこのままではなくなるわけですから、なくなった後それまでの前の状況に戻して各省庁、それから県市町村でバラバラの体制で残った事業をやるということが現実的なのかどうか。そろそろ32年度以降どういう体制で進めていくのかということも、ぼちぼち考えなければいけないと思います。ただあまりそういうことを考え過ぎて、肝心の10年のうちにやり遂げるということが疎かになってはいけませんので、とりあえず今は平成32年度のうちに全力投球ということだと思います。

以上