平成30年3月30日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。私から、本日、新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議を開催致しましたので、その概要を御報告します。前回の関係閣僚会議は11月14日に開かれ、それ以降の整備事業の進捗状況、敷地南西部の歩行者デッキの形状見直しの2点についてJSCの大東理事長から説明がありました。一言で申し上げれば、工期、工費に影響なく順調に進んでいるということでした。 まず、整備事業の進捗状況については、地上躯体工事を概ね終え、2月以降スタジアム屋根の根元部分の鉄骨工事を進めていて、全体工期の概ね4割経過しましたが、これまで工事はスケジュール通りに進んでいるという旨の説明がありました。  次に、歩行者デッキの形状見直しについては、前回の関係閣僚会議において、整備事業の竣工時には地表面を平坦な状態で整備し、2020年東京大会後に植栽等の整備を行うこととする二段階整備の方針を了承しておりました。本日、大東理事長からは二段階整備の方針に基づき、調整、検討を進めてきた結果について説明がありました。具体的には昨年11月末に、デッキ形状の見直し変更に係る都市計画変更が東京都により告示されたこと。第一段階の整備に関して組織委員会と協議を行い、竣工時に整備する大会時の具体的な仕様を決定したこと。また、見直しにより整備事業の工事費は3億円程度の減額となる見込みであること。かつ大会後に実施する第二段階の整備費用を含めても、全体で現行の工事費の上限である1,490億円を超えない見込みであるとの説明がありました。今後は、JSCにおいて事業者との正式な契約変更に向けて手続きを進めていくと共に、第二段階の整備について関係者間での役割分担等を引き続き調整していくとのことでした。  これらの説明を受け関係閣僚会議としては、整備事業が工期、工事費に支障なく進捗していることを確認し点検を終了致しました。今後とも新国立競技場が2020年東京大会のメインスタジアムとして、世界の人々に感動を与える場となるよう着実な整備を図り、大会を成功に導きたいと考えております。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 IOCのバッハ会長が昨日平壌入りしました。北朝鮮側の招待だという報道があり、20年東京大会の競技などについて協議すると見られています。20年大会のホスト国である日本政府としてこの動きについての受け止めをお願いします。
(大 臣)
 そういう報道があるということは承知しておりますが、詳細がよく分かりませんので積極的にコメントすることはしませんが、あえて言えば、これはIOC会長がIOCに加盟している国々に、オリンピックに関連して訪れるというのは通常あり得ることであると思います。決して政治的なことではなく、純粋にオリンピックに係るスポーツの事として訪れるのは通常あることだと思います。
(記 者)
 関連で、20年の開催国日本として、このタイミングでの訪問という少し早いという指摘もありますが、この動きについては日本政府に事前にお知らせはあったんでしょうか。
(大 臣)
 少なくとも私には知らせはありません。その上で、今回の平壌訪問と2020年大会開催とは今のところ直接関連したり、結びつくことはないと思います。
(記 者)
 聖火リレーの関係でお伺いします。先日行われた大会組織委員の聖火リレーの検討委員会で、東日本大震災の被災地に配慮して日数をかけて重点的に回るという方針が、改めてですけれども確認されました。大臣もかねてから復興五輪を強調されていますが、この点に関する受け止めをお願いできますでしょうか。
(大 臣)
  復興五輪というのをタイトルだけでなく、中身の伴ったものにするのは色々な取組が必要だと思います。復興ありがとうホストタウンもそうですし、実際に競技を宮城県、福島県、その2県で行うということ。それから被災地の食材や木材を積極的に活用するということ等々、復興五輪の中身を伴うこととしてやることですが、その中においてもやはり聖火リレーは一大イベントだと思います。組織委員会が被災地に配慮した形で、今後、聖火リレーのルートを決めていくという方針が示されたことは大変歓迎すべきことで、そういうことを活用して真の中身を伴う復興オリンピック・パラリンピックというふうにしていきたいと思います。
(記 者)
 それに関連して4月にも焦点だった聖火リレーのスタート地についても決まる見込みと報道がされています。聖火リレーの出発地に関しては自治体の関心も深く、被災地発の案もこれまでも取り沙汰されてきましたが、どのような点に重きを置いてスタート地を最終決定するのが望ましいかお考えをお願いできますでしょうか。
(大 臣)
 そのことについては組織委員会において責任を持って国民の皆様に納得していただく形で決めていただけると思っておりますので、組織委員会の決定にお任せするという形で、私としてはそれを注視していくということです。

以上