平成30年9月7日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。
 今日は冒頭、私のほうから3点、お話をさせていただきたいと思います。
 まず昨日発生いたしました、平成30年北海道胆振東部地震によりまして、亡くなられた皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げます。そして、被災された方々、被災地に住まわれる方々に心からお見舞いを申し上げます。現在、政府として、関係機関で一丸となって、捜索、救助活動、復旧作業に当たっています。引き続き全力で対応してまいります。そのことをまず冒頭、申し上げたいと思います。
 次に、今般、第6次の復興「ありがとう」ホストタウンを決定いたしました。今回、追加となりますのは宮城県加美町で、これで復興「ありがとう」ホストタウンは全部で20件となりました。宮城県加美町は、東日本大震災のときに、南三陸町を初めとする沿岸部の住民約300名を受け入れるとともに、職員1名を5年間、南三陸町に派遣をいたしました。
 一方、南三陸町は1960年のチリ地震以来、チリ共和国と友好協定を結んでおり、震災時に流されてしまいましたモアイ像を再びチリから送ってもらうなどの支援を受けました。今般、このような南三陸町に対するチリからの支援への感謝をあらわす取組を、震災時から南三陸町との交流を続ける加美町が主体となって実施することとしたものであります。
 加美町は、チリのパラカヌー選手の事前合宿受入れを目指すとともに、2020年には、チリの選手が両町を訪問し、住民との交流や南三陸町に再び置かれたモアイ像を見ていただくなどの取組を計画いたしております。今後とも関係各県等と連携をして、手を挙げていただいた自治体にしっかりと御支援をさせていただきたいと思っております。
 次に、復興「ありがとう」ホストタウンを設置いたしましてから、1年が経過し、ただいま御報告いたしましたとおり、自治体数も今日で20となりました。ここで改めて被災3県の知事、そして、ホストタウン自治体の首長の方々とホストタウンの取組状況などについて情報を共有し、今後の取組に生かすための意見交換会を実施することにいたしました。被災3県における意見交換会は、9月11日に宮城県、13日に福島県と岩手県でそれぞれ実施をいたします。私も出席をする予定といたしております。
 当日は、内閣官房及び組織委員会から、東京大会をめぐる情勢についての情報提供も行う予定であります。また、御承知のとおり組織委員会では、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を実施しております。回収期限が来年3月ごろまでとなっており、回収にはより一層の気運の醸成と必要量の確保が必要な状況であります。政府といたしましても、プロジェクトの周知を図るために、本年6月から各省庁に小型家電回収ボックスのリレーを、これを行っているところでありまして、現在、ボックスは財務省に置いております。
 さらに、7月に320のホストタウン自治体に対しまして、メダル回収への協力をお願いしたところでありまして、本日時点で、全国35の自治体、そして、その中にあります約2,000校から、メダル回収ボックス設置の希望をいただいているところであります。9月13日、私、岩手県に出張いたしますので、その際、岩手県盛岡市立桜城小学校におきまして、ホストタウンメダルプロジェクトイン盛岡のキックオフイベントを開催することとなっております。この取組は、環境省と連携したものであって、今後も希望のあったホストタウン自治体で、ホストタウンメダルプロジェクトを順次、実施する予定でございます。詳細は事務方にお尋ねをいただきたいと思います。
 私からは以上であります。
 

2.質疑応答
(記 者)
 よろしくお願いします。
 一つだけ質問させていただきます。
 北海道の地震に関して、2020年の開会の際にも、こうした災害が電気や空港といったインフラに影響を与える可能性というのが想定されますけれども、大会時の備えに関して、考えておくべきこと、あるいは思いを新たにしたことなどがあれば、お伺いしたいと思います。
(大 臣)
 2020年東京大会で重要なことが幾つもございますが、やはり安全・安心ということが大変重要なことであると思っております。昨今、地震や大雨などによる自然災害が多発しておりますけれども、政府において、防災を担当する機関を含めまして、例えば、首都直下型地震を初めとする各種自然災害の発生に備えた対策の検討、これはもう既に進めているところであります。東京大会に向けた自然災害の対策といたしましては、例えば、大会開催時には、外国人の方が多数来日されるわけでございますので、災害が発生した場合に、その避難場所等を示す図記号について、国際標準化に努めるとともに、スマートフォンのアプリを活用した、適時的確な情報発信を進めていきたいと思っています。
 また、大会組織委員会では、警備計画のほかに、競技会場ごとに避難計画を策定し、避難訓練を実施することにいたしておりますので、政府といたしましても、その実施につきまして、積極的に連携し、協力をしてまいりたいと思っております。引き続き選手や観客、そして国民の皆さんが、安心して大会を楽しむことができますように、関係機関と連携をして、各種対策を検討・推進してまいりたいと思っています。
(記 者)
 地震の関係で、今朝の閣議で、何か総理大臣から指示があれば、御紹介いただきたいなと。このたびの地震で、オリパラ関連の行事等に何か影響は出ているでしょうか。
(大 臣)
 総理からは、閣議では特に指示はございませんでした。既に対策本部が立てられて、そこにおいて、しっかりとした対応をしているところであるということだと思います。
 それから、今回の地震が東京大会に影響を及ぼしたかどうかという、今のところ、まだ被害状況がよく分かっておりません。札幌のサッカーの予選が行われます札幌ドームも、まだ停電しているということで、実際の被害状況等はまだ分からないということでございます。今日行われます、日本代表とチリ、サッカーの試合は中止になったわけですが、当面、今のところ2020年に向けて大きな影響があるという情報はつかんでおりません。
(記 者)
 最近、スポーツ界で不祥事が相次いでいることを受けて、スポーツ庁の鈴木長官が、競技団体に対して、国の指導をもう少し強めるような仕組みを、国の関与の仕方のあり方について検討するために庁内に作業チームをつくられました。それで、これまで国とスポーツ団体の関わり方というのは、ある程度、一定の距離を置くといいますか、かなり限定的なものだったとは思うんですけれども、こういう事態を受けて、国や政府と競技団体の適切なあり方として、もっと関与を強めるべきだというふうに思われるか、大臣のお考えをお聞きしたいんですけれども。
(大 臣)
 スポーツ庁で、担当する役所でございますから、しっかりと考えていただかなくちゃいかんと思いますが、私個人としては、バランスの問題だと、そういうふうに思います。やはりある程度、それぞれの団体の自治というものは尊重しなくてはなりませんし、しかし、今回のようなことが続きますと、国民から何か信頼されないということになっては、これはスポーツの強化・普及も、それぞれの種目、そこのところにつながらないわけですから、そこはある程度、スポーツ庁としてしっかりとした指導とか、事情聴取とか、できる体制をつくっていくことは重要であると思いますが、いずれにしても、そのバランスをしっかり考えて、進めていくことが重要だと思います。
(記 者)
 話題が変わりまして、今日は自民党総裁選が告示となりました。安倍総理と石破元幹事長の一騎打ちの構図となります。鈴木大臣はこれまでも安倍総理の集会に参加するなど、首相支持の立場だと思いますけれども、その理由と選挙戦でどのような論戦を期待するか教えてください。
(大 臣)
 今の政治状況では、自由民主党の総裁は、これは内閣総理大臣を務めるという状況でありますから、正に今回の総裁は、今後3年間の、その間に選挙があったりすればまた別ですけれども、日本の舵取りをするリーダーを選ぶということになると思っておりますので、しっかり十分に考えて、党員の皆さんには投票してもらいたいと思います。私は御承知のとおり、安倍現総裁を支持し、三選を目指して取り組んでいるところでありますが、やはりこれまでの6年間の実績、それはもう完璧なものというのは、なかなか難しいにしても、6年前に比べれば、経済の状況についてのしっかりとした成果が上がっている。それから、いろいろなこの問題意識、例えば私は地方出身の人間ですけれども、その立場から言うと、地方の人口減少とか、その前には地方創生ということをやりましたけれども、重要な課題をしっかりとクローズアップして、それに対する対策、対応というものをきちっとできてきたこと、それから、国際場裡においては、やはり今、長い間、どんどん政権が各国において変わる中において、メルケルさんに続いて、一国の代表としては長く国際会議等に携わっていることでありまして、国際社会における、国際場裡における、日本のプレゼンスが高まっているのではないかと思います。そういうことを考えますと、今、あえて安倍総裁を替えて、新しいリーダーを選ぶ理由はない。それよりも、安倍さんに継続してもらって、しっかりとした課題に向き合って、頑張ってもらいたいと、そう思って、安倍さんを支持いたします。
(記 者)
 石破さんとの間で、どのような論戦を期待しますか。
(大 臣)
 それはさっき申し上げましたけれども、日本のリーダーを決める総裁選ですから、ただ単に党の党首を決めていくという意味じゃない、より重いものがありますので、お互い、今後の日本をこういうふうにやっていきたい、そういったような明確なビジョンを示していただけると思います。
 
 以上