平成30年10月10日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。
 今日は、最初に、東京ハーヴェストの出席についてお話しさせていただきます。
 明日11日に、虎ノ門ヒルズと新虎通りを会場に開催される東京ハーヴェストのオープニングセレモニーに参加をいたします。東京ハーヴェストは、道路という公共空間を活用しつつ、優れた日本の食文化の発信・普及を図るイベントです。今年度のオリンピック・パラリンピック基本方針推進調査の一環として実施されます。また、beyond2020プログラムにも認証されております。
 新虎通りの歩道に並ぶ屋台では、食の安全性などに関する認証基準を満たす食材で作られたおでんが振る舞われると聞いております。食の安全性や持続性にも配慮した日本の食文化を発信し、2020年東京大会への機運を盛り上げるイベントとして私も楽しみにしているところであります。
 詳細については、事務局にお尋ねしていただければ有り難いと思っております。
 それから、何か御質問あれば。
 

2.質疑応答
(記 者)
 二つ質問させていただきます。まず、ボランティアについてですが、東京大会では、大会の成功に欠かせない存在として、ただ、人集めがこれから大きな課題となるかと思いますが、先日5日、午前10時時点の応募状況として、大会ボランティアで3万1,982人、東京都の都市ボランティアで3,426人という結果が発表されました。この状況に対する受け止めと、あと特に大会ボランティアについては、活動日数ですとか、あと応募方法について様々な意見が出ているところでありますが、それについての見解も併せてちょっとお伺いしたいと思います。
(大 臣)
 9月26日から募集開始したボランティアにつきましては、10月5日時点で、大会ボランティアは8万人募集のところ3万1,982人、都市ボランティアは3万人募集のところ3,426人の応募があったと承知しております。まだ応募開始から10日程度経過した段階であり、評価することはまだ難しいんじゃないかなと、こう思っております。組織委員会は、まだ締切りまでには2か月あることを考えると、順調にきているのではないかとコメントされていると聞いております。ボランティアは、大会に参加をいただく絶好の機会であり、選手や観客者と直接接する機会も多い、言わば大会の顔となる存在ではないかと認識しております。12月上旬まで募集が行われますので、是非多くの方々に応募いただければと思っております。それと、組織委員会の大会ボランティアの応募サイトが使いにくいという指摘がありますが、組織委員会としては、コールセンターなどのサポートを充実させたいということであります。私としては、参加意欲のある全ての人の応募に支障がないよう、組織委員会においてしっかりと対応していただければと考えております。
(記 者)
 ありがとうございます。
 もう一つ、8日にブエノスアイレスで開かれたIOCの総会で、平昌の冬季五輪についてですが、収支が60億円以上の黒字などと報告されていました。大会経費や収支については、東京大会でも、こちらも大きな課題となると思いますが、これについての受け止めと、また先日、会計検査院から関連経費が不透明との指摘もあったところですので、そこで大臣、先日の記者会見で、「更なる工夫を行うよう検討したい」などと話されていましたが、こちらの進捗状況などについてもお聞かせいただきたいと思います。
(大 臣)
 東京大会を国民の理解を得て成功させるためにも、オリンピックの持続可能性という観点からも、大会経費の圧縮に努力するということは非常に重要な課題であると考えております。
 また、大会経費の取扱いについては、開催都市である東京都、大会の運営主体である組織委員会、競技会場のある関係自治体とともに業務の具体化を図り細部を詰めていく中で、アスリートファーストの観点に配慮し、経費の縮減につながる部分はないか、引き続き丁寧に見てまいりたいと思っております。
(記 者)
 2020年に向けた国内のホテルや旅館のバリアフリー化についてお伺いします。50室以上の宿泊施設に対して、1%以上の車椅子用の客室の設置を義務付ける政令が、先月パブリックコメントが終わりまして、近く閣議決定される見通しです。この政令改正に関する評価をお願いできますか。
(大 臣)
 東京大会の最大のレガシーとして、パラリンピックを契機に、障害のあるなしにかかわらず全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にして支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受できるような共生社会を実現することが重要だと考えております。こうした観点から、宿泊施設のバリアフリー化については、客室総数50室以上の新築の宿泊施設の車椅子使用者用客室の設置義務数が、現在1室以上となっているところを、客室総数の1%以上ということで改めるべく政令改正を予定しているものと承知をしているところであります。障害者の方々の旅行や宿泊の環境を整えるこうした取組により、東京大会の成功はもとより、大会のレガシーとしての共生社会の実現を図ってまいりたいと思っております。
(記 者)
 関連でお伺いします。
 一方で、この政令改正の施行が2019年秋を予定しているために、2020年のオリンピックやパラリンピックの対応としては間に合わないとの見方もあります。パラリンピックのバリアフリー客室をめぐっては、IPCなどからも客室数の少なさが指摘をされていますが、オリパラに向けた対応という意味ではどのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
 今回の基準の見直しについては、東京大会に向けた客室数の確保はもとより、大会を契機とした障害者の旅行・宿泊環境の整備というレガシーの面で大変意義があるものと考えているところでございます。東京大会に向けた客室数の確保については、観光庁において創設された宿泊施設のバリアフリー化に対する補助金制度を活用し、既存の宿泊施設のバリアフリー化改修を進めているところであります。こうした取組に限らず、さらに東京都においても宿泊施設のバリアフリー化の補助金を措置いただいており、関係者が一丸となって客室の確保に取り組んでまいりたいと思っております。
(記 者)
 ボランティアの関連でお伺いしたいんですけれども、組織委員会の応募フォームが、そういう視覚障害の方が応募する際のアクセシビリティが応募開始時に間に合わなくて対応を急いでいるという状況なんですけれども、大臣、先週末に視覚障害者の大会など御挨拶もされていたかと思うんですが、そういった視覚障害に限らず障害を持つ方がボランティアに参加することについての大臣のお考えと、そういった実際問題、応募フォームの対応が間に合わなかったとか、そういった現状を踏まえて、パラリンピックの成功という意味でも、どういうふうな改善を求めていくのかお願いいたします。
(大 臣)
 組織委員会からは、大会ボランティア応募サイトの音声読み上げ機能について、一部十分でない部分があるということで、視覚に制約のある方々に御不便をお掛けしているというところであります。他方で、そのような方々にも是非応募していただきたいと考えておりますので、現在、修正作業等、鋭意対応を行うとともに、コールセンターでの対応を検討しているところであります。応募が遅れることによって不利になることはないということでお聞きしているところであります。都市ボランティアについては、特段の不具合等の報告は受けておりません。私としては、障害のあるなしにかかわらずボランティアに参加いただけることは極めて重要なことだと考えております。組織委員会には、意欲のある全ての人の応募に支障がないよう、早急に対応していただけるかと思っております。
(記 者)
 国際オリンピック委員会の総会で、2020年東京五輪でも難民選手団、これ、リオ大会でもやったものですが、難民選手団を結成するということが正式に決まったんですけれども、これについてIOCのバッハ会長は、世界に難民の存在を認識させるという意味でも重要な取組だというふうにおっしゃっていますが、大臣は、東京大会でこの難民選手団が結成されることに意義はどういうふうに考えていますか。
(大 臣)
 難民という国際社会の中で非常に困難な局面に遭遇している人たちがいるわけなので、そういう人たちも参加できる場ということを検討いただきたいなと思っております。
(記 者)
 大会関連の予算についての話に戻りますが、先日、それについても検討したいということだったんですけれども、そういったまとめを内閣官房として行っていくのかどうかの判断であったりとか、どのような範囲まで調べるのか、その辺についてのスケジュールなどがざっくりでもあれば教えていただきたいなと思っております。
(大 臣)
 まずは、先日公表された報告書の内容については、しっかりと分析することが重要でありまして、現時点で公表時期について申し上げるような段階ではないということを考えておりますので、引き続き検討を進めていきたいと考えております。
(記 者)
 その分析を進めるかどうかの判断というところも
(大 臣)
 分析はやります。
(記 者)
 もうそれは進めていると。
(大 臣)
 はい、進めています。検討を進めていくということです。
(記 者)
 そこを公表するような分析をするのかどうかの判断というのを出す時期としてどうでしょうか。
(大 臣)
 まだそこまでは考えておりません。
(記 者)
 ありがとうございました。
(大 臣)
 それと、難民選手団についてはIOC等でいろんな面でそのことについてもしっかりと詰めているところです。
(記 者)
 加計学園問題についてお伺いします。加計孝太郎理事長が日曜日に会見をされまして、焦点となっていた総理との面会について、改めて「覚えていないし、記録もない」と述べられました。加計学園の問題をめぐっては、これまでも学園と政府の関係が国会などで焦点になってきましたが、今回こういう会見が行われたことを内閣の一員としてどのように評価されていますでしょうか。
(大 臣)
 加計理事長が記者会見を開かれたことは承知しておりますが、私は直接のことではございませんので、私から発言することはちょっと控えさせていただきたいと思っております。
(記 者)
 関連でお伺いします。
 弊社朝日新聞の9月の世論調査では、森友問題、加計問題について、安倍総理の説明に納得していないとの回答が全体の76%に上っております。大臣としては、これまでの政府の説明で十分に説明を尽くされたとお考えでしょうか。
(大 臣)
 それも、いろいろ私どもで検討して、それからのお答えにさせていただきたいと思っています。
 
 以上