平成31年3月12日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。
 冒頭1件、お知らせがございます。東京大会までいよいよ500日になりました。大会本番に向けて計画を具体化して、テストイベント等を通じて、実行、検証していく段階でございます。
 大会の成功に向けて、日本のみならず、世界に大会を応援いただけるような機運の醸成に努めていきたいと思っております。
 史上初となる、同一都市で2度目のパラリンピック大会を契機に、共生社会の実現。東日本大震災から8年を迎え、被災地の復興を後押しするとともに、被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信していく復興オリンピック・パラリンピックの推進。輸送、暑さ、セキュリティー対策など、安全・安心な大会運営を中心に、引き続き全力で取り組んでまいります。
 私自身は昨年10月の就任以来、競技会場など大会関係施設の視察や、国内外の関係者と意見交換を重ねてきました。着実に準備は進んでおりますが、大会が近づく中、一つ一つの課題に適切に対応する必要があります。
 今後とも東京都、組織委員会、競技会場のある地方公共団体等の関係者としっかりと連携して取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。
 

2.質疑応答
(記 者)
 昨日で東日本大震災から8年を迎えました。復興オリンピック・パラリンピックは東京大会の重要な柱の一つでもあると思うんですけれども、改めて8年迎えまして、大臣の受け止めをお願いいたします。
(大 臣)
 大震災によってお亡くなりになられた全ての方々に改めて心から哀悼の意を表したいと思います。
 併せて、今も避難生活を強いられている方々をはじめ、大震災で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 本日、2020年東京大会からちょうど500日前を迎えましたが、大会の開催が被災された皆さんに元気になっていただく契機、そして、被災地の復興の後押しとなるよう努めてまいります。
 本年はラグビーワールドカップが開催され、岩手県が会場に、また、宮城、福島の各県は2020年東京大会の競技開催地となっており、多くの方々が3県を訪れると思います。
 さらに、現在進めている復興ありがとうホストタウンをはじめ、様々な取組を進め、復興オリンピック・パラリンピックを全力で進めていきたいと考えております。
 以上です。
(記 者)
 復興五輪の理念についてお尋ねなんですけれども、大臣、ずっと復興オリンピックは復興の後押しと、それから復興の状況の発信ということをおっしゃられますけれども、一方で、被災自治体に話を聞くと、復興の現在の状況を発信するということは歓迎するけれども、一方で、どう後押しにつながるのかというのがなかなか見えづらいですとか、あるいはホストタウンの事業に割く人手が足りないとか、そういう声も聞くわけなんですけれども、まず、こういった点に対して、政府として、大臣として、どのような対応を考えていらっしゃるのかお聞かせください。
(大 臣)
 政府としては、昨年7月に取りまとめた復興オリンピック・パラリンピックに係る政府の取組として、被災地での競技実施に向けて、会場施設の整備の支援、あるいは復興ありがとうホストタウンの推進、被災地へのインバウンド、被災地の食材の活用と風評の払拭、被災地の情報発信強化などの取組を関係省庁と連携して進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
(記 者)
 あと関連してもう1点なんですけれども、そこの自治体の思いというところはお尋ねしたんですけれども、大臣おっしゃられたように、今も避難生活を送っていらっしゃる方も多々いるわけです。この方たちの話を聞くと、やっぱり大会を見て元気になるという声もある一方で、自分と関係がないとか、少し遠いところで起きていることだからというような意見もありました。この点について、大会をどういう形で人々に勇気だったり元気だったり力を与えていくのかについての、大臣の思いをお聞かせください。
(大 臣)
 そのような報道があることは承知しております。
 ただ、復興オリンピック・パラリンピックは2020年東京大会の最も重要なテーマの一つであります。
 そして大会組織委員会、東京都、そして国も重点的に取り組んでおります。先月、被災地復興支援連絡協議会が開催されて、被災地の岩手、宮城、福島3県にメンバーになって入っていただき、大会組織委員会、東京都、JOC、JPC、スポーツ庁、復興庁、内閣官房の関係者が一堂に集まりました。
 それぞれの取組を共有し、連携して復興オリンピック・パラリンピックを推進していくことを確認したところであります。
 具体的には、被災地から出発する聖火リレーを実施し、聖火リレー前の被災地での復興の火の展示、宮城、福島でのサッカー、野球、ソフトボールの競技の開催、開閉会式を通じて自然災害を乗り越える姿を発信などしていきたいなと思っております。それらについて、重点的に取り組むことをしたところでございます。
 政府としても、被災地の復興の後押しと発信につながるよう、復興ありがとうホストタウンなど、政府の取組をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
(記 者)
 500日前ということで、今後セキュリティー対策やドーピング対策など、具体化してくるとともに、経費がやっぱり膨らむという懸念がありますけれども、その点についてどう考えられるか、教えてください。
(大 臣)
 500日後に迫った大会を成功させるとともに、また次世代へのレガシーをしっかりと残していくことが何よりも重要だという認識をしているところでございます。
 そのためにやっぱり先程お話ししたように、大会に向けての機運醸成、それと共生社会を進め、復興オリパラ安全・安心な大会運営について、全力で取り組むというところでございます。
 引き続き政府全体の取組に関して、丁寧な説明に努めていきたいなと、こんなふうに思っております。
(記 者)
 全体の経費が、やっぱりまだ不透明ということも指摘されていますけれども、その点について如何でしょうか。
(大 臣)
 東京大会は、基本的に東京都が招致して開催するものであって、その準備、運営は、開催都市の東京都が指導するのが基本でありまして、その上で、国が必要な支援をしてきた経緯があります。そのため、開催経費については、まずは開催都市である東京都と大会の準備、運営を行う組織委員会が実施主体の責任において明らかにすべきものであるというふうに理解をしております。
 国は東京都や組織委員会の取組を支援する立場から、大会経費に限らず、日本選手の競技力向上や、セキュリティー対策、ドーピング対策等、国が責任を持って取り組む事業について、国費負担を明確にする観点から、毎年度、オリパラ関係予算として補強をしてきました。
 先般公表したオリパラ関係予算については、会計検査院の報告書の指摘等を踏まえ、さらなる透明性を図る観点から、会計検査院と同様平成25年以降集計を行い、平成25年度から平成31年度までのオリパラ関係予算の総額は2,197億円となっております。
 引き続き、政府全体の取組に対して、丁寧な説明に努めてまいりたいと思っております。
(記 者)
 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて必要なIDが北朝鮮のオリンピック委員会に付与されていないという報道が出ていますが、政府としてはどのように対処すべきか、大臣の御所感をお願いいたします。
(大 臣)
 お尋ねの情報提供は、組織委員会が各国・地域のオリンピック委員会に対して、東京大会に関する基礎的な情報を提供するために、専用ウエブサイトを通じて行うものであります。
 北朝鮮、NOCへの情報提供については、組織委員会において、適切に対応を検討されているものと承知しております。
(記 者)
 まだ付与されていないということなんですけれども、それについては、政府としてはどのように。
(大 臣)
 組織委員会で検討されているというふうに伺っておりますので、是非そちらの方でよろしく。
(記 者)
 今の質問に関連して、昨日組織委員会は制裁との関係があるので、政府に相談しているというふうに発表しているんですけれども、組織委員会単体ではなかなか判断しにくい難しい案件だということで、政府側に相談が行っているようですけれども、この点に関して如何でしょう。
(大 臣)
 それについても、やはり組織委員会と政府で相談しているということなので、その推移を見守りたいなと思っております。
 何度も言うようですけど、北朝鮮、NOCへの情報提供については、やはり組織委員会において、適切に対応を検討されているものと思っておりますので、是非組織委員会の方に、お問合せいただければと思っております。
(記 者)
 今の質問に関連して、要するに、政府と組織委員会は相談をしているけれども、最終的にどういう対応をするかは組織委員会が決めると、そういう理解でよろしいですか。大臣として。
(大 臣)
 その決定は。
(記 者)
 つまり、政府と組織委員会は相談をしているけれども、最終的にどういう判断をするかの決定は組織委員会が行うという見解を大臣はお持ちであるということでよろしいですか。
(大 臣)
 事務的な案件であると思っております。先程言ったとおりでありますので、事務的・手続的には組織委員会においてやるということで理解していただきたいと思います。
 
 以上