令和元年12月27日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。今年最後の閣議後の記者会見となります。メディアの皆様方には、取り上げていただき本当にありがとうございます。改めて感謝を申し上げたいと思います。冒頭、2件お知らせがございます。まず1件目ですが、ホストタウンの第17次登録について、本日ホストタウン13件を新たに登録いたしました。これによりましてホストタウン登録件数が400を超えて405件に、自治体数も478となりました。相手国・地域数は、アフリカで2か国、中米で3か国、ヨーロッパで2か国増加をして、総数で163となりました。また、今回ラオスのホストタウンとして登録される大分県別府市を、本日付で共生社会ホストタウンとしても登録することといたしました。これによりまして共生社会ホストタウンの合計数が66件となりました。11月の第4回のホストタウン首長会議において、事後交流型ホストタウンを「ただいま・おかえりホストタウン」と名付けて、より一層推進していくことを公表したところですが、今回新たに登録する13件のうち6件が、「ただいま・おかえりホストタウン」として登録となります。「ただいま・おかえりホストタウン」というのがあまり浸透していないものですから、是非宣伝をしていただければと思います。競技をする施設、事前に合宿をしていただく施設が、自治体によっては用意ができない場所があるということで、なかなかホストタウンに手を挙げづらい地域、自治体があったんですけども、「ただいま・おかえり」は大会の後にですね、そういった施設がなくても選手と交流を深めるために、オリンピック・パラリンピック後にお訪ねいただいたりだとか、そういう文化交流的なことも含めて施設がなくてもできるということで、そういうことがあるともっと身近にやりやすいという声も少しずつ上がってきていますので、是非「ただいま・おかえりホストタウン」を、広めていただきたいと思います。これからその内容もいろいろと自治体の状況も踏まえながら、取組の内容にも充実させていきたいと思っています。年明け、もう一つは、年明けの1月7日から12日までフランス及びスイスを訪問いたします。東京大会の年を迎え、東京大会の次の夏季大会開催都市となるパリを訪問しまして、パリ大会の関係要人との会談を通じ、東京大会に向けた協力関係の一層の強化を図ってまいります。また、フランスでは、スポーツ施設の視察や女性活躍、男女共同参画に関する視察を行ってまいります。スイスのローザンヌでは冬季ユースオリンピック開会式に出席するとともに、バッハIOC会長ほかIOC委員の方々と会談をして、目前に迫った東京大会に向けた意見交換を行います。また、大規模なスポーツ大会である冬季ユースオリンピックの会場を視察することにより、大会運営についての知見を広めて、深めていきたいと思っております。日程につきましては、後ほど貼り出しをしたいと思いますので、御覧をいただきたいと思います。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 1点質問したいと思います。今回、今年の会見は恐らく最後になるかと思うんですけども、9月に就任されてから3か月であります。オリンピックのマラソンの移転があったりだとか、新国立競技場も完成するというイベントがありましたけれども、この間、振り返ってお言葉頂くことできますでしょうか。
(大 臣)
 就任以来、月日が流れるのが速いなと感じました。まず男女共同参画の分野ですけれども、私自身も仕事と家庭の両立の支援というのは、この仕事を政治の方に来てから非常に難しく、そしてそれを解決していかなければいけないというふうなことを実感しながらやってきまして、今回、男女共同参画の担当大臣、女性活躍の担当大臣を拝命いたしまして、より深くその重要性をまた感じたところでもあります。特に先日ですけれども、女性活躍に先進的に取り組んでいる企業の経営層の方々と意見交換をすることができました。各社の取組ですとか御意見を直接伺って、更に女性活躍の推進・発展に努めていかなければいけないと感じました。また、就任以降ですけれども、DVですとか性暴力の被害者の支援を行っている団体などの現場を視察させていただきまして、支援者の方から直接お話を聞いて、性暴力に対する深刻さ、あるいはその中でこのダブルリボン、今付けさせていただいておりますけれども、児童虐待そしてDVというものが一緒になっているというような状況ですね、そういったところを踏まえ、しっかりとした対応を整えていくために、直接見に行くということは重要だなと思いまして、今後も第5次の男女共同参画基本計画の策定に向けて、そういった見てきたこと、聞いたことを、しっかりと進めていかなければいけないと思いました。同時に、政策と方針の決定過程に女性がまだ少ないということもあるので、そういった参画を拡大して、男女が共に仕事そして生活を両立できる環境の整備というものを、進めていかなければいけないのと、女性に対するあらゆる暴力の根絶のための取組、そういったものを、しっかりと次の第5次の男女共同参画計画の策定に向けて、盛り込まれるようにやっていきたいと、改めて決意をしています。東京大会に向けては、新国立競技場をはじめ各競技会場が、着実に準備が進んできているなと感じています。マラソンと競歩が急に札幌に会場変更になったということについては、非常に驚きましたけれども、この短期間の中で御理解、御協力を頂いて、コースあるいは日程というものがしっかりと決めていただいたということは、関係者の皆様方に改めて感謝をしたいと思っております。また、今年のスポーツにおいては、ラグビーのワールドカップですね。大変な盛り上がりと、そして全国各地のパブリックビューイングですか、まさにONE TEAMとなって、みる人、する人、ささえる人というのが、これほど一体感を持って発信をすることができるのかなという、改めてスポーツの持つ力というものを感じまして、今後そういったものをオリンピックにも生かしていかなければいけないなと思いました。担当大臣として、残り半年余りになりましたけれども、まずは大会が円滑に開催できるように全力を尽くしたいと思います。また、3月には聖火リレーがスタートしますので、全国の皆さんに大会に向けた盛り上がりを共有しながら、7月の開幕に向かっていきたいと思っております。また、大切なのは復興オリンピック・パラリンピックだとも思っております。2020年以降の日本の姿を描いていくことができるレガシーを、しっかりと作り上げていきたいなと考えております。これからやはり共生社会ホストタウンもそうですし、「ただいま・おかえりホストタウン」もそうですけれども、今までのオリンピック・パラリンピックではやったことがない取組というのが、今回の東京大会ではいくつもありますので、成熟した国家としてやるべきオリンピック・パラリンピックの姿というものをしっかりと発信できるように、最後の準備に取り組んでいきたいと思っております。
(記 者)
 ちょうど今、意気込み頂いたんですけども、追加で、五輪に向けてテロ対策であったり交通渋滞対策という課題もいくつかあると思うんですけども、改めてそういった課題をどのように解決していくのか、そしてまた改めて来年、五輪イヤーということですけど、改めて意気込みを聞かせていただければと思います。
(大 臣)
 やはり自然災害が発災をしたときにどのような対応をするのかというのは、非常に重要だと思っております。それと同時に、特にサイバーセキュリティをはじめとしてテロ対策というのは、日々の準備が必要ですから、最後、しっかりとシミュレーションをしながら取り組んでいかなければいけないと思っております。暑さ対策そして円滑な輸送システムの構築ということにおいて、官だけではとてもできませんので官民で連携をとって、どのようにスムーズに大会を運営することができるかというのと同時に、4,000万人のインバウンドが見込まれるわけですので、多言語化ですとかバリアフリーですとか、本当に東京大会を見に来て良かったなということと、この東京大会を見る前後に全国各地に観光等に行っていただきたいので、そういった連携もしっかりと各地方自治体と組んで、安全・安心を確保した受入態勢というものが重要だと考えています。どれというのではなく、全てが大事なものですから、各省庁挙げて、この縦割りではなく横串を入れた連携というのものが、非常にこれから最後、重要になってくると思うものですから、それぞれの分野での方々との役割分担というものを常に共有しながら、2020年の大会に向けていきたいと思っています。
(記 者)
 先程もお話ありました性暴力の被害者支援についてなんですが、昨日、性暴力被害者の支援パッケージがまとめられたところで、先日までSNSの相談事業が実施されたと思うんですが、その概要や今後の取組について、検討されていることを伺えればと思います。
(大 臣)
 12月10日から24日までの15日間、若年層の性暴力被害者等の女性が相談しやすいよう、SNSを活用した相談事業の実施をいたしました。この事業は、性暴力被害者等の支援に取り組む民間団体に御協力を頂いて、試行的に実施したものであります。政府としては初めての取組だったわけなんですが、プライベートなことでもありますので詳細は控えさせていただきますが、中学生、高校生を含む若年層の方々から、250件を超える性暴力被害等の相談を頂きました。特に若年女性に対しての卑劣な行為が行われているということがうかがわれ、深刻な事案も多く、相談者と直接お会いして支援を行った事例も複数あったと聞いております。今後も試行実施の成果や課題について年度内に検証を行いまして、来年度も試行実施を行うとともに、性犯罪・性暴力の根絶に、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。なかなかやはり相談できないで悩んでいる方々にとっては、こういった取組がやはり重要だなと特に感じましたね。悩んでいるだけでも誰にも相談できないというケースが、今までたくさんあって、非常にそういった意味においては、外に出られなくなってしまったりというようなことが多くあったとも、視察をした中でも聞いてきましたので、心の部分で閉ざされたものを、少しでもこういった取組によって心を開いて、そして新たな行動をしていくことにつながっていけばいいなと思いました。SNSと同時にどういうようなことが、そういった被害を受けた方たちに対して手を差し伸べてあげることができるのかということも、もっと考えていきたいなと思いました。どうも今年1年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。
                            
 以上