令和2年7月3日


閣議後定例記者会見


質疑応答
(記者)
 昨日新型コロナウイルス新規感染者が100名を超えました。緊急事態宣言となると、アスリートの練習に影響が出る可能性もありますが、感染拡大が五輪に影響を与えるかどうか、お考えをお聞かせください。
(大臣)
 東京都内の昨日の感染者数が107人ということで承知しておりますけれども、国内外の感染状況は、引き続きしっかり注視をしていきたいと思っております。  国内の競技団体においては、練習等の再開に当たって、それぞれの競技の特性を踏まえて作成したガイドライン等に基づいて、感染症対策にしっかりと取り組んでいっていただきたいと思っております。  報道では、それぞれ合宿を再開したという競技団体もありましたけれども、非常に選手たちも前向きに、感染症対策をしっかりとやりながら、従来のトレーニングを再開することに大変意欲を持っていらっしゃるということも聞いております。しっかりと感染症対策をした上で、士気を高めていってもらえたらと思います。総合対応推進チームがありますから、引き続いて感染状況ですとか、そういった体制がしっかりと整えていけるような状況に、サポート体制はさらに強化していきたいと思います。
(記者)
 もう一点伺います。先日、遠藤利明大会組織委会長代行が、安倍首相との面会後に、大会開催可否の判断時期について、来年の3月から6月ぐらいに代表選考があるので、日本としてはその段階で十分対応できるだろうという方針を示されたんですけれども、橋本大臣も、大会開催を判断する時期としては、来春ごろで間に合う、来春ごろでいいとお考えでしょうか。
(大臣)
 遠藤先生のほうからは、直接私はその話は伺っていないんですけれども、それぞれのIFがいつどのような段階でこれから選考会を開催していくかということもありますので、今の段階では、いつがその判断の時期になるかというのは、まだ時期尚早ではないかなと私は思います。まずはしっかりと全てにおいての感染症対策、これをまず講じていくということが第一だと思っています。
(記者)
 コロナウイルス関連で追加でお伺いします。国内、東京は107人という数字が出ましたが、海外、グローバルで見ますと、感染は1,000万人を超えて、亡くなった方は50万人を超えるということで、こういった足元の現状を踏まえて、来年、1年になりましたが、オリンピックを開催できる環境にあるのかどうか、来年7月開催という計画に揺らぎはないのか、その辺りを改めてお伺いできますでしょうか。
(大臣)
 世界がコロナウイルスに打ち勝った証としての東京大会と位置づけて、バッハ会長も、そして安倍総理との会談でも、結束した考えの中で新たなスタートを切っていますので、しっかりと感染症対策を講じて、東京大会というものを、大会が開催できるように、そしてその先を見据えるべき東京大会にしていく、それだけですね。
(記者)
 先ほど数をしっかり注視していきたいという御発言がありましたけれども、海外も国内も含めて数字が与える影響といいますか、100人に乗ったとか1,000万人とか、数字が五輪の開催に与える影響みたいなものについて、お伺いできますか。
(大臣)
 数字は、それは非常に重要なことだと思います。感染者数が減っていくこと、少なくなるということは、非常に大切なことですので、感染者数が何名という、増えていくということは、やはりしっかりと危機感を持って対応していかなければいけないと思っております。その中で、今後、ワクチンの開発ですとか、それぞれ研究が進んでおりますので、東京大会を開催する上において、ワクチンができなければ開催できないということではありませんけれども、選手、そして観客、関係者、こういった方々、関係する方々、そして見てくださる方々がいて初めて東京大会というものが開催できるわけですので、しっかりとまずは世界がコロナウイルス打ち勝った証となるべく努力を続けていくということに尽きると思っています。
(記者)
 今週もそうなんですけれども、今週までに、何人かの選手が東京五輪を待たずして現役引退を発表する元オリンピアンの方もいらっしゃって、やっぱり1年の延期というのはアスリートにとってかなり大きなものなんだなということを改めて感じたんですけれども。元スポーツ選手として、大臣は1年延期というものがアスリートへ与える影響をどのように考えていらっしゃいますか。
(大臣)
 オリンピック・パラリンピックが、ほかの大会とは違うのは、やはり4年に1度ということなんですね。私自身の経験もそうですけれども、例えば、オリンピックとオリンピックの間の3年間はトップレベルのアスリートだったのに、その前後のオリンピックには出場ができなかったという選手も見てきました。オリンピックの前後の年は全く不調だったのに、オリンピックだけ出られたという選手も見てきました。  やはり、それぞれの目指す、どの年回りに4年に1度の大会が巡ってくるかというのは、非常にそこに、だからこそオリンピック・パラリンピックのドラマがあるんだと、私はずっと思ってやってきたわけですけれども、やはりその年齢が、東京大会を最後に何としても頑張ろうと思っている中で、非常にその1年が大変な長い1年になるという状況に置かれている選手もいるわけですね。そうなったときに、早い決断をせざるを得ない状況の中で諦めていくということなのかなと思うんです。  1年延期となって、そこに巡ってきたそういった運命といいますか、それを、次の世代というか、自分自身の次のレガシーとして、その1年を待たずして引退を決意した選手が、自分自身のレガシーを良い方向にしっかりと、良い経験として、その決断を価値あるものにしていっていただけたらいいなと私は思いながら、アスリートの引退宣言をずっと見てきました。残念な部分はあるんですけれども、その決断が自分自身の次の人生に非常によかったと思えるような経験にしてもらうことを願うばかりですね。
                
 以上