令和2年10月23日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 冒頭1件お知らせがございます。
 本日の閣議前に、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の第17回の会合が開催され、東京大会の開催に向けた新型コロナウイルス感染症対策の検討状況について報告をいたしました。
 菅総理からは、まず、東京大会は人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として開催し、東日本大震災の被災地が見事に復興をなし遂げた姿を世界へ向けて発信する場としたい、2つ目には、この決意の下、来年の開催に向けて、関係者が一丸となって準備に取り組まなければならないこと、3つ目に、特に大会における感染症対策については、各省庁、東京都、大会組織委員会からなる調整会議を設け、方針を示してきたところであり、4つ目には、今後は、さらに、大会関係者や観客の感染症対策、自治体での対応、検査のあり方、保健医療体制の確保、パラアスリートへの配慮について検討し、実効的な対策を実行に移していく必要があること等の発言がありまして、各大臣において、サイバーテロ、警備、輸送など、従前からの取組に万全を期すとともに、年内を目途としている調整会議での中間整理に向けて、私を中心に検討を加速化し、準備に全力を尽くすよう指示がございました。
 また、関係大臣からは、大会成功に向けて、それぞれしっかりと協力するという発言があり、私からは、アスリートや現場の声を丁寧に聞きながら、感染症対策に万全を期し、安心・安全な大会を実現できるよう取り組むので、関係各省でも協力をお願いする旨の発言をいたしました。
 東京大会の開催まで本日でちょうど9カ月となります。
 担当大臣として、総理からの御指示を踏まえ、関係閣僚、東京都、組織委員会等と緊密に連携しつつ、大会の成功に向けて全力で取り組んでまいります。
 私からは以上です。
 

質疑応答

(記者)
 質問させていただきます。
 今の会議でもあったと思うんですが、政府が、オリンピックの開催に向けて、顔認証の技術を用いたシステムを感染症対策で活用する方向で調整しているという話が報道されています。
 観客動員を前提に、防犯カメラで移動経路などを記録して集団感染を防ぐということのようですが、現在の検討状況と、当然行動監視とかプライバシーの侵害という懸念が出てくると思いますが、こういったことに対する見解をお願いします。
(大臣)
 報道に出ていたことは承知をしておりますけれども、実際は検討中です。
 今、政府と、そしてもちろん組織委員会、東京都、各競技団体もお入りいただいてのコロナ対策調整会議を開催しております。
 年内5回を予定をして、中間とりまとめということになっておりますけれども、これをアスリート、そして大会の関係者、観客という3つのカテゴリーについての入国後、輸送、会場等の、それぞれの場面ごとに議論を行いまして、今後、年内の中間とりまとめをするんですけれども、観客についてですとかそういった状況というのは、当然これから議論をしていくことになっておりますので、現在決定をしたというようなことではなくて、非常に重要なことの一つなものですから、丁寧に準備をして、議論を重ねていきたいと思っております。
(記者)
 今の関連で、検討中ということだったんですけれども、具体的な案として顔認証を検討しているという理解でよろしいですか。
(大臣)
 いえ、観客についての議論というのは第5回にすることになっておりますので、そこで議論をするということであります。
 顔認証についてですとか、どのような状況になるかというのも、今後の検討課題ということでありますので、現在何か決まっているということではないということです。
(記者)
 Jリーグベガルタ仙台に所属していた選手が、交際相手に暴力を振るっていた問題で先日契約を解除されました。
 ベガルタ側は、暴力の事実を把握した後も元選手を公式戦に出場させ続けていました。
 一連のベガルタの対応の問題と、この元選手は3年前にも女性への暴行容疑で逮捕される事件を起こしていて、加害者に加害行為を繰り返させないための政府の対策の拡充に向けて、大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
 暴力というのは、いかなる場合であっても決して許されることではありませんので、根絶に向けて努力をしていかなければいけないと思っております。
 現状を、私自身、今把握をしていないものですから、そういった状況を踏まえながら、今後どのような対応をされていくのかということをしっかりと注視していかなければいけないと思いますけれども、どの世界においても、そしてスポーツの世界においても、やはり暴力というもの、そしてハラスメント、そういったものは絶対に許されるものではありませんので、全力でやはり根絶に向けてしっかりとした対応をしていくべきだと思います。
(記者)
 先日、競技団体との連絡会議の中で、競技団体から14日間の帰国後の措置について、一層の緩和を求める声が上がったと伺いましたけれども、大臣は一層の緩和の余地についてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
 むやみに緩和をするということは決してしてはいけませんし、いかなる要望であっても難しいものは難しいわけですけれども、やはり安心と安全、コロナ感染症対策というものを万全にした中で、できる限りのことを緩和するべきだというのは、もともと私自身の考えでありましたので、ビジネストラックを基本とした中で、仮称ですけれどもアスリートトラックといいますか。選手はテレワークができない仕事ですから、せっかく海外に行っても、帰ってきてから14日間の隔離状態が続くことによって、シーズンがもう全て台無しになってしまうというような、非常にセンシティブな問題だったということもありまして。
 緩和を要望して、要望といいますか、しっかりとした対応をする中で何ができるかということを対応してきたんですけれども。現在では、当然ホテルあるいは自宅という、宿泊ですね、そしてトレーニング環境、トレーニング施設でのトレーニングは許されることになりました。
 もう一方で、先日の会議におきまして要望があった1つというのが、帯同するスポーツドクターですとか、あるいはコーチ・監督というのは、必ず会社ですとかあるいは学校関係ですとかに勤務をされている方ですから、例えば海外遠征に帯同していただくにしても、帰ってきての14日間、トレーニングセンターですとかそういうところに行くことができても、勤務先に行くことができないというようなことがありまして、それを考えると、万全の体制で海外遠征に行かせたいといっても、帰ってきてからのことを考えることによって、スポーツドクターであったり指導者が躊躇してしまうといいますか、後のことを考えると、やはり海外遠征には帯同できないんだという悩みを訴えられていた競技団体があって、そういう声が私のところにも個別にたくさん来ていました。
 それで、今検討させているのは、勤務先であったりとかそういったところにも、監督やコーチ、スポーツドクターが、当然その場所というのはコロナ対策をしっかりとやっていただかなければいけないですし、責任を持ってやってもらうわけですけれども、そこまでの緩和ができないかどうかというのを今検討してもらっているところです。
 できる限りそういった要望に応えていきたいと思いますけれども、あくまでも感染しない、させないという絶対的なルールのもとでやらなければいけませんので、慎重に考えてやっていきたいと思っています。
(記者)
 ノンフィクション作家の本間龍さんが、IOCのバッハ会長が既に東京オリンピックの中止の方向で決めたということを日本政府に伝えたという報道があるんですけど、実態についてはどうでしょうか。
(大臣)
 いいえ。全くありません。
 東京大会に向けて、政府一丸となって、今日も菅総理が、世界がコロナウイルスに打ち勝った証となるべく東京大会に向けて全力を尽くしていくというふうにお話をしていただきましたし、バッハ会長がしっかりと来年の大会に向けて準備をしていきたいということも前回お話をされておりますので、東京大会を確実に開催するために、引き続き全力を尽くしていきたいと思います。
(記者)
 恐れ入ります。
 11月にバッハ会長が来日されて首相と会談される予定だということで、その際はこの中止に関する相談などをするということではないですか。
(大臣)
 ないです。
 それはわかりませんけれども、私としてはそうではなく本当に前向きに会談をされるということを願っております。
 
                
 以上