令和3年3月5日


閣議後定例記者会見


質疑応答

(記者)
 2点伺いたいと思います。
 まず、緊急事態宣言が、今朝も諮問委員会が開かれるなど、3月21日まで2週間延長となる見込みです。
 現在強化している水際対策も当面続くとことになると思いますが、今回の宣言延長が海外からの観客の受入判断に及ぼす影響について、どうお考えでしょうか。
 まず1点お願いします。
(大臣)
 まず、緊急事態宣言は、総理としては2週間程度の延長が必要ではないかという考えを述べておられますけれども、最終的な判断はこれからということでございます。
 これが、現時点で何か明確に、どう外国からの観客の受入に影響するかということは、私は今、ここで判断ができません。
 おそらく、やってみた結果、後々、関係があったのだなと、つまり効果があったねということはわかるかもしれませんが、今の時点ですぐに何かどう影響があるということは、ちょっと何とも言い難いと思います。
 おそらく、ウイルスの変異株というのは、これからもどんどん様子を変えていくと思いますので、2週間たって、突然何か新しいことが出てこないとは限りませんから、そうしたことも踏まえながら考えますと、今何か判断できるという状況にはないと思います。
(記者)
 もう1点、関連ですけれども、海外からの観客の受入について最終的な結論を出す際に、先日開かれたような五者会議、協議を改めて開催するのか。
 決定プロセスについて、現時点でわかることがあればよろしくお願いします。
(大臣)
 私が知る限りは、もう一度開くかどうかということについては、まだ何も議論はされていないと思います。
 前回、顔を会わせてお話ができたことで、お互い、これが本当に思っていることだなというのは、やっぱり人間顔を見るとよくわかりますので、率直に話ができたことはとてもよかったと思いますので、できれば時間を合わせてお話ができればいいなと思いますけれども、何分にも時差もございますし、私どもも国会の日程もございますので、またそうしたものの様子を見ながら、どちらにしても、東京都、それからIOC、IPC、こうした関係者の皆様がどう調整されるかということを踏まえながら、こちらも御一緒したいと思います。
(記者)
 選択的夫婦別姓について、夫婦が同姓を使用することを強制する家父長制は明治以降につくられた伝統で、近代以前の、もともと日本の伝統ではありません。
 徳川時代及びそれ以前では、妻が氏を持つ場合には、妻は専ら生家の氏を名乗り、夫の氏にはならず、夫婦別氏だったとする説が最も有力であるとのことです。
 言わば選択的夫婦別姓こそが日本の伝統であるとも言えます。
 丸川大臣はこうした歴史を御存知の上で、夫婦同姓が日本の伝統であると信じ、その選択的夫婦別姓に反対なさっているのでしょうか。
 2月26日の定例記者会見において丸川大臣は、御自身の信念について、「私が民主主義国家の一員だということです。日本国憲法の下で立法をしながら、国民の声を聞くに当たっては、様々な声を聞くということが私たちに課せられた使命だ」とお答えになりました。
 国民の様々な声を聞くという使命に従うのであれば、選択的夫婦別氏制度に反対する前に、選択的夫婦別姓を求める人々の事情にも耳を傾けるべきです。
 丸川大臣は、現在、戸籍上の大塚姓を使わず旧姓をずっと使用しているとお聞きしております。
 反対する根拠を含めて、御自身の信念の中身についてもう一度ご教示ください。
(大臣)
 まず、氏の使用についての歴史というのは、特に制度化される前の話はもう歴史家の皆様にお任せをしたいと思います。
 そして、氏と戸籍が一体となって一つの夫婦と子という家族の単位をつくるという制度が、明治当初に、たしか一度別氏の形で設定されてやってみたんだけれども、結果的にそれが社会に受け入れられなくて同氏にしたという歴史があったのではないかと思います。
 そうしたこともありますけれども、とはいえ、100年以上、この形で進んできています。
 そうしたものを踏まえて、多様な変化をしてきたこの社会のありようを、どう制度に反映していくかという議論が、今まさに進んでいるんだと思います。
 昨年末、この第5次男女共同参画基本計画を定めるときには、選択的夫婦別姓に賛成の方も反対の方も、本当に真剣に議論をして、激論を交わした末に、検討を進めていくということになったわけでございます。
 それを踏まえて、私たちは政府の立場で、いろんなお立場の方がいて、多様な考えがある。
 私はここで就任の会見のときにも申し上げましたけれども、それぞれの人生の数だけ氏に対する思いがあると思いますので、そうしたことを一つ一つ耳を傾けながら、議論をとにかくまずしないと、今私は同氏ですと、主人と同氏ですということを国会でも申し述べましたけれども、この、氏と通称使用がどうも混同されているような印象を、ずっと、今回いろんなお話を聞かせていただく中で感じております。
 同氏で通称使用の場合は法律の改正が多分必要ないのではないかと私は理解をしておりますので、こうしたことの理解を深めるということも、一つ、家族の根幹にかかわる法律の制度だと思いますから、よく議論を皆さんと一緒にして、そしてその中で、今の時代に合った答えを導き出していく、道を開くということが重要ではないかと思っています。
(記者)
 オリンピックの観客の関係で、先ほども決定のプロセスの質問が出ましたが、IOC、IPCとの調整の前に、国内で、例えば橋本会長とか小池都知事と、国内のステークホルダーの皆さんと調整をされるという場面を持たれるようなお考えはあるのでしょうか。
(大臣)
 もちろんそれは必要になるという考えを持っております。
 まず、日本国として、私たちは水際をお預かりしておりますから、水際の措置としてどうするか。
 それから医療の体制については、これは東京都が現場を預かってくださっているわけで、会場の部分、会場の医療は組織委員会がお預かりになっているわけです。
 それぞれの役割分担がありますから、それらを総合して判断しなくてはいけません。
 ということは、三者の調整が確実に必要になるわけでして、まずそこの部分が物理的にどういう対応が可能なのかということと、恐らくは、選手の皆さんを受け入れるに当たっては、それぞれのスポーツのそのコンタクトの度合いもかなり勘案しなくてはいけないのかなと。
 テニスのように距離をおいてやるスポーツもあれば、柔道のように、まさに密にならなければ競技ができないというものがあります。
 おそらくトップアスリートの皆さんは毎日練習しなければいけないだろうとこちらは想像するわけです。
 そうしたことも踏まえて、最高の環境で競技をしていただくためにはどういう対応が我々にとれるのかということは、よく詰めて考えなければいけないと思っています。
 できる限りのことをしたいと思いますので、限られた時間の中でありますけれども、まず、そういうことも踏まえながら、なかなか今年の夏の観客のことを見通すのは難しいのですが、とはいえ、3月中にまず外国からの観客について判断したいということについては合意をしております。
 ごめんなさい、ちょっとアスリートと観客とごっちゃになってしまいましたが、特によく調整をしなければいけないのは、やはりアスリートをどうするかということだと思っています。
(記者)
 すみません、話題が変わって恐縮ですが、女性活躍という点、女性の問題でお聞きいたします。
 3月8日が国際女性デーということで、その前の会見ということであえてお聞きするんですけれども、この1年間、コロナで国際的にも女性に厳しい状況が続いて、それは我が国も同様だと思っております。
 DVの相談件数ですとか、自殺者の増加ですとか、多様に情報乱れてございますけれども、そのことに関する大臣の現状認識と、どのように今後解決を図っていきたいかという方向性、あと、今苦しんでいる女性の方々にメッセージを送るとすればどのようなことを言いたいかというのをお願いいたします。
(大臣)
 ありがとうございます。
 3月8日は「国際女性の日」であります。
 「国際女性の日」を迎えるときに、今まさにまだ緊急事態宣言も延長されて、引き続き、コロナの大きな影響が私たちの暮らしに及んでいるという状況です。
 国際的にも指摘されておりますけれど、我が国においてもコロナの影響というのは大変女性に大きく及んでいるという認識です。
 御指摘のようにDVの相談件数も増えている。
 そして、女性の自殺者数も増加をしております。
 この自殺者数の内容を分析いたしますと、いわゆる家庭におられる主婦の方の数も増えているという分析がございまして、これは、ステイホームということが長引き、そうした中で、DV等の、家庭の中での問題というのが非常に大きくなっているのではないかと受け止めております。
 とにかく私たちは、どういう立場におられる方であっても、できる限りアウトリーチができる環境をこれからも政府として進めていきたいと思っておりますし、また、相談に関しても、民間の方のお力をいただきながら、できる限り間口を広く、また、もう少しアクセスのしやすい形で、例えばSNSを通じた相談をさらに強化をするなどの、アクセスのしやすい支援窓口というものを強化していきたいということを考えております。
 また、経済的に大変苦しい状況に置かれている女性の皆さん、多いかと思います。
 今、政府においては、総合支援資金をさらに60万円追加で融資ができるような体制を組み、また、緊急小口資金においては、年度末に非課税であるということが明らかになった時点で返済を免除するということを明確にしました。
 総合支援資金についても、できる限り返済免除の枠組みを早く明確にできるように、政府にも、関係各省庁とも調整をしていきたいと思います。
 いずれにしても、まだ続いていくコロナ禍の中で、厳しい状況に置かれている女性の皆さんを、誰ひとり取り残さないという思いで、これからも支援の強化に努めてまいりたいと思います。
 
                
 以上