令和3年4月27日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 すみません、今日はお知らせ3件あります。ちょっと長くなりますがお許しください。
 まず一つはホストタウンです。
 ホストタウンの第29次登録がございまして、本日新規に3件、自治体の追加が1件、それから相手国の追加3件、これを登録いたしました。
 これで登録件数は456件、自治体数は528となります。なお、相手国地域数には変更はなく、184であります。
 また併せて、北海道江差町を、本日付で共生社会ホストタウンとして登録をいたしました。
 これで共生社会ホストタウン102件、106自治体となります。
 新型コロナウイルス感染症の影響がまだ続いている中で、非常に熱心にホストタウンの交流を、引き続き、模索していただいており、また、新たに開始をしていただいていることに心から感謝申し上げたいと思います。
 大会に向けた準備、しっかりご支援を申し上げていこうと思っております。
 続いて、今日みなさんのお手元にイラストが配られていると思いますが、ございますか。
 こちらは、男女共同参画局におきまして、性別にとらわれないイラストデザインというものを新たに作成しました。
 それからもう1個お知らせは、シンボルマークを新しくしましたというお知らせです。
 まずイラストデザインについてです。
 これは、今まで官民問わずこうした資料等に付すイラストが、比較的固定的な性別役割分担に基づいたものがあったのではないかという認識に基づきまして、こういうアンコンシャス・バイアスを解消するという意味で、男女それぞれがその職業に就いているという様子を表したイラストを作りました。
 これは無料で使っていただけるデザイン素材ということで、男女局のホームページからダウンロードできるようにいたします。もちろん無償で提供いたします。
 ただ、連休明けから運用開始、10日から運用開始ということですので、すみません、使えるのは10日からになりますけれども、是非皆さまもこれから様々な資料をお作りになるとき、男女という考えに、この仕事はどちらの性別というこだわりというか、固定概念というか、こういうものに捉われることなく、男女どちらも担っていけるという、そういうイメージを持ってイラスト等も使っていただけるとありがたいなと思います。
 それから、男女共同参画局の新しいシンボルマークをご覧ください。
 前のものは平成21年から使っていたんですが、このたび局の設立から20年を迎えたということの節目で、この第5次男女共同参画基本計画を推進していくにあたって、新しいシンボルマークを作りました。
 これまでのデザインを踏襲しながら、よりはっきりと目につくものにしております。
 これからの男女共同参画に関わる広告媒体など、広報媒体などに積極的に活用することで、男女共同参画の意識の醸成の一助とすることができればと考えているところです。
 もう1件あります。もう一つは、これも男女局についてのお話です。
 新しい研究会を局長のもとに立ち上げます。
 人生100年時代を迎えて、未婚・単身世帯の増加、また平均初婚年齢の上昇、離婚件数の増大など、わが国の家族の姿が近年大きく変化をしております。
 また昨今、事実婚に関する報道も多く見られるところです。
 男女共同参画を推進する上では、こうした変化に伴って、特に女性が置かれた環境を巡ってどのような課題が生じているのか、また生じることが今後予想されるのかということを把握することが大切だという考えに至りました。
 このため、近年わが国の結婚と家族を巡る状況がどのように変化をしているのか、その実相を、データを用いて多面的に明らかにするともに、それに伴う課題を整理するために、専門家による人生100年時代の結婚と家族に関する研究会を開催します。
 この研究会の構成員は、お配りしております紙のとおりでございまして、座長には中央大学の山田昌弘先生にお願いをいたしました。
 結婚と家族の実相、これは女性を軸にということになりますけれども、有識者の先生方から学ばせていただきまして、秋以降の男女共同参画会議における議論に生かしていきたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 明日にも行われる予定の五者協議の進捗状況についてお願いします。
 また、政府で海外から来る選手や関係者に対しての、出国96時間以内の新型コロナの検査を行うなど、水際対策の強化する方針も報道でありますが、これらも五者協議で話し合われるのか、併せてお願いします。
(大臣)
 まず、五者協議の日程は、この後組織委員会から正式なご案内があると思います。
 明日は長い一日になると思いますので、皆さんよろしくお願いいたします。
 それから、入国の措置についてでございますが、この前から申し上げてきておりますように、世界的な変異株の問題について、どのように対応するのか、検討を進めてきておりまして、これらも議題に含まれることと、こちらでは想定をしております。
(記者)
 2問ほどお願いしたいと思います。
 国民投票法についてお伺いしたいと思います。
 このコロナ禍と五輪の聖火リレー騒ぎの間に、国民の目をかすめて、政府与党は5月6日に国民投票法改正案の採決を野党に提案しました。
 丸川大臣は、この国民投票法改正案に賛成か反対か、お答えをください。
 国民投票法改正案の7項目のうち、期日前投票と繰延投票に関する2項目は、国民の投票機会を減じる危険性があります。
 また改憲広告に関するCMの、量的規制がありません。誰がCMを出せるのかという制約もありません。金さえあれば改憲CMを幾らでも流せます。世論を金次第で誘導できる危険性があります。
 国民投票法改正の先には、ナチス・ドイツのヒトラーの独裁体制を樹立した、国防授権法に匹敵する緊急事態条項を含む自民党改憲草案が待っています。
 米中が対立を激化させる中で、国民投票法が入口になって、改憲が行われ、緊急事態条項によって内閣独裁体制が確立され、日本が無謀な戦争に突入する危険性があります。
 丸川大臣は、自民党改憲案の中の緊急事態条項にも賛成でしょうか。
 1936年のベルリン五輪によって初めて聖火リレーが行われ、ナチス・ドイツのプロパガンダの舞台となり、3年後の39年には、ナチス・ドイツはポーランド侵攻及び第2次世界大戦に至ります。
 ナチス・ドイツと同じ轍を踏まないと言えるのでしょうか。
 2021年の東京五輪強行開催が、戦争進行の準備のための隠れみのとして都合よく利用されようとしているのではないでしょうか。
 コロナ禍で国民が苦しんでいる最中に、欠陥とリスクを抱えた国民投票法改正案の採決を急ぐ与党政府の姿勢を見ていると、そうした疑念が拭えません。
 丸川大臣は、五輪聖火リレーの陰で、改憲へとひた走る政府与党について、どうお考えなのかご説明ください。
 もう1点、簡潔に申し上げます。
 看護師500名を五輪のために確保する問題です。
 4月25日の新聞赤旗によりますと、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、日本看護協会に対し、大会期間中の医療人員として、看護師500人の確保を依頼されたことが分かりました。
 選手村や競技会場で従事する人員だということですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ただでさえも看護師不足の懸念といいます。
 医療体制が逼迫している大阪では、政府が雇用した看護師70名が大阪コロナ重症センターに派遣されております。
 今回第4波では、昨年冬以降の第3波のピークの2倍の病床が使用されると予測されております。
 一向に感染を抑制できない中で、五輪のために看護師を500人確保することが、日本の医療体制に与える負の影響を五輪大臣のお立場でどのようにお考えですか。お聞かせいただければと思います。
(大臣)
 まず国民投票法についてですが、国会でのご議論、あるいは党でのご議論は、大変恐縮ですが、三権分立を侵すことになりますので、行政府におります私から発言をすることは控えさせていただきます。
 また私今行政府の一員としてここに立たせていただいておりますので、私自身と考えておるものについては、ここで申し述べることはいたしません。
 それから、聖火リレー、これ様々なお声がある中で、恐らくですが、第二次世界大戦後、これがナチス・ドイツの政治の有り様を反映したものだという認識を皆さんがお持ちであれば、復活はしなかったかと思います。
 戦後長く続いてきておりますので、多くの皆さまが平和の祭典の象徴である灯火だという受止をされているのではないかと思っております。
 それから、看護師の要請を日本看護協会に組織委員会がなさったということは承知をしておりまして、確認しましたところ、1カ月ほど前に要請をされたということを組織委員会から伺っております。
 一番ピークの日で400人ということですから、そこから考えますとかなり削り込んできて、本当に必要な数を精査してご相談をされているのかなという気がいたしますけれども。
 いずれにしても、地域医療に多大な負荷をかけないということは、大会開催の前提だと私は思いますので、組織委員会には看護協会のご意見もよく伺って、どのように医療体制を確保するのかということについて、取組を進めていただきたいと思います。
(大臣)
 ミャンマーの競泳の選手がミャンマー国軍によるクーデターの状況を見ながら、東京五輪をボイコットするという表明されましたが、これに対する受止をお願いします。
(大臣)
 ミャンマーの国内の情勢が非常に厳しい状況にあるということに対しては、私も多大な懸念を持っております。
 一日も早く暴力的な市民への弾圧が解消されること、それらが止むことを願っております。
 その中で、選手の方がそうした政治状況を踏まえて、ご自身の判断で東京五輪に参加されないという意思を表明されたということは、それぞれの選択なので尊重したいと思いますが、平和の祭典でありますから、こうした中で、国連においては停戦協定も結んでいただいていることでありますし、是非ともそうした暴力的な状況というものが、この五輪に向けて解消されるということのために、関係者の努力をお願いしたいと思います。
(記者)
 ロシアのように個人での参加を促すというようなことはされないですか。
(大臣)
 これIOCがどのようにお受け止めになるかということでありますので、今のところ、今日の今日ですので、私の方から何とも申し上げられません。
(記者)
 さっきの看護師の派遣の件で、医療体制については東京都と組織委員会で検討していくものというふうに閣議後会見でおっしゃっていましたが、本当に必要であれば、政府としてはどのようなサポートなどをしていく必要があるとお考えでしょうか。
(大臣)
 まず今後必要になるかどうかということについて、東京都に明らかにしていただきたいというのが私の正直な思いであります。
 私の知る限り、東京都がこの厳しいコロナの状況の中で開催するために、どのように取り組んでいくのかという具体的なことを、まだ私たちにお示しもいただいておりませんし、また残念ですけれども、感染症の専門家にご相談されているかどうかについても、明確ではありません。
 医療の現場を預かるのは東京都ですから、おそらく現場の状況は一番よく分かっておられますし、この状況を打開するために何ができるか、どういう資源をお持ちか、現場にどんな資源があるのかということについて、一番把握しているのは東京都です。
 ですので、東京都がまず、自分たちが、一方ではこの大会の主催者としての責任、そして一方では医療の現場を預かる者としての責任、この両方の責任をどのように果たすのかということについて、明確な発信なり、方向性なりをお示しいただかないと、私たちもそれをどのようにご支援申し上げればいいのかということについて、非常に戸惑っているという状況です。
 内々には投げかけは実はさせていただいており、私も非常に懸念しておりますので、内々には事務方を通して投げかけはさせていただいておりますけれども、未だ明確に、私たちとしてはこのように感染状況を抑えたいので、こうしたい、ああしたいという声は何も届いておりませんで、そろそろそこは大会を開催する当事者として、どのようにするおつもりなのかということを、お示しをいただきたいと思っております。
(記者)
 今の発言の中ですが、内々に投げかけをしているというのは、具体的にいつぐらい、どのような内容のことを東京都に対して投げかけたのでしょうか。
(大臣)
 もう2週間ぐらいたちます。大体そのぐらい。
 事務方を通じて、あちらの事務方に、当然、医療の現場を預かってらっしゃるので、お考えはあると思うんだけれども、どのようにお考えですかということを、私たちも知りたいと思っていますということをお伝えしております。
(記者)
 オリンピックとコロナ対策の医療の両立に関してどういうふうに考えているかという内容か。
(大臣)
 まず医療への負荷ということが一番大きいかと思います。医療への負荷をどう考えるのか。
 特に人流が発生するということに伴って、おそらくですが、大会の中身、つまり競技会場においてはこれまでも、Jリーグや、あるいはプロ野球等で示されているように、会場の中で感染するということについては非常にリスクが低い。
 特に非常に日本の皆さま方は、観戦のマナーというものをしっかり守ってくださっていて、大きな声を出さない、あるいは会場内で手指消毒、動線の確保ということについてご協力をいただいております。
 ただ、東京のまち自体が、感染が抑えられている状況でなければ、感染の少ない地方からやってこられたお客さまが、東京で感染をして帰るということにもなりかねません。
 ですので、東京の感染状況をしっかり抑えていただくということが、全国からお客さまにおいでいただくための大切な条件だと思っておりますけれども、そのことについての東京都のお考えというものが全く聞こえてきませんので、非常に懸念をしております。
(記者)
 韓国政府が五輪選手へのワクチンを優先的に進めるということを表明されました。
 大臣はいわゆる、そういうことは日本政府としては全く考えていない、検討していないということでしたが、この韓国政府の判断への受止と、改めて日本政府は今後検討していくことはないのかということについてお願いします。
(大臣)
 すみません、韓国でどのくらい変異株が流行しているのか、ちょっと私も今把握していないので、何とも申し上げられませんが、インド株も日本国内に出てきておりますので、やはり変異株がどのような特徴を持っているのかということを踏まえて、そのような検討をすべきだという声も出てきているということは承知をしております。
 いずれにしても、きちんと厚生労働省で決めた順位がありますので、まずそれに従ってどのように接種が進んでいくのかということを、しっかり踏まえる必要があるかもしれません。
(記者)
 男女局関係なんですけど、この研究会のことについてなんですが、これは具体的に選択的夫婦別姓のことなんかもお話をされる、検討していくことはありますか。
(大臣)
 まだ具体的に出口だとか、そういうものを何か決めているわけではないのですが、ここまでいろいろと私が向き合ってきた課題、議論について、大きく家族の姿が変わってきている中で、DV等も含めて、女性が置かれている環境というのが変わってきている。
 けれども実態として、全体的にそれを網羅的に、客観的に捉えたデータが、探してもなかなか見つからないです。
 研究ごとというのはあるんですけれども、そうしたデータを収集してよく整理をして、客観的に何が言えるのかということ、あるいは全体像の中で何が、どういうことが占めているのかということがきちんと把握できる体制を作らなければいけないと思っています。
 
                
 以上