令和3年5月11日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 まず1件、こちらからお知らせがございます。このたび内閣府において、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの令和2年度の下半期、この相談件数を取りまとめました。お手元に1枚紙お配りさせていただいていると思いますが、ずっと4,000件台で来ていましたところ、令和2年の3月になって、ぐっと5,000件台に増えているという状況です。
 すみません、正確に申し上げると、下半期全体で2万7,855件、これは前年同期を、およそ3割上回る数字であります。
 また令和2年度全体を見ますと、相談件数5万1,141件となっておりまして、これは前年度をおよそ2割上回る数字でございます。この数字の分析について、特に件数が伸びている支援センターにお伺いをしましたところ、在宅時間が増えたことなどから、またコロナによって社会不安が高じたことなどを受けて、過去の被害について自分の中で思い出して相談をされる方が増えてきているということ、また、マッチングアプリなど、インターネットを通じた被害が増えてきたということであります。
 性犯罪・性暴力、もとよりこれは許されるべきものではございませんけれども、そのとき、その被害を受けた直後だけではなくて、長い時間の傷というのが癒えずに、苦しみが残っていくものなのだということを示唆していると受け止めております。
 この後、令和3年4月以降、どのように相談状況が伸びていくかということもしっかり注視をしながら、こうしたことへの対策についても背景に目を向けて、検討を進めていきたいと思っております。
 以上であります。

質疑応答

(記者)
 オリンピック開催に反対する署名活動やデモ活動が活発になり、世論調査でも開催の支持が低い状況にあります。コロナに打ち勝った証として開催するという政府の主張では、多くの国民から歓迎される大会にならないのは明らかです。選手も肩身の狭い思いをしています。
 誰のために、何のために、なぜこの夏に開催するのか、しっかり説明をしてほしいです。よろしくお願いします。
(大臣)
 まず私は、この東京開催の意義というのは、特にこのコロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す、大きな意義があると考えております。
 国籍、人種を問わずに、同じフィールドの上で、同じルールでアスリートたちが競技を行います。この特別な努力をした、それぞれのアスリートたちが真剣勝負を繰り広げる、そしてその後にともにその努力をたたえ合う姿というのは、必ず私は、人々にお互いを許し合い、そして喜びを分かち合う、その思いを取り戻してくれるものだと信じております。
 人類の連帯と団結を表すシンボルというのが、オリンピック・パラリンピックでございますけれども、特にこのコロナ禍において東京大会は、世界中の人々が新たな光を見出すきっかけになると考えております。
(記者)
 昨日国会で見ましたので、私の話なんですけれども、選手は移動するときがチャーターバスとか、そういうことなんですけれども、例えば、関西空港に着いたら、四国のホストタウンに、関西空港から四国まで、どうやって移動するんでしょうか。チャーターバスか、新幹線使いますか。
 逆にホストタウンからオリンピックのキャンプ入ってきたら、それもどうやって移動するんでしょうか。新幹線で来るか、チャーターバスで来るか、それだけ確認したいんです。
(大臣)
 まだ詳細はそれぞれのホストタウンが選手を合宿させる国と、あるいはそのフェデレーションと協議をしますけれども、手段としてはチャーターバス以外に、新幹線の車両の借り上げができます。
 駅の中、それから空港の中は、アスリート枠、選手団の枠で入ってこられる方、動線を全く別にいたします。新幹線の車両の借り上げに要する費用というのは、国のほうで負担を行います。
(記者)
 昨日の予算委員会で、大臣、海外から来る選手の関係者について、少なくとも9万人という数字にはならないという発言をされたと思うんですけれども、組織委などからそういったご説明を受けているんでしょうか。
(大臣)
 具体的に数字を伺っているわけではありませんが、五者協議の中で、私が繰り返し何度も、かなり強くお願いをしております結果、私が受け止めている印象としては、かなり減らしていただけるという印象を持っております。
(記者)
 五輪選手団へのワクチンの接種なんですけれども、日本の選手への打ち手や会場などの、その後の検討状況に進捗があれば教えていただけますか。
(大臣)
 基本的には、各競技団体で、選手を普段から見ておられるスポーツドクターなど、競技団体が選手の打ち手を探してくるという状況にありますので、恐らく競技団体ごとで対応が異なっているのではないかなと、進捗が異なっているのではないかなと思います。
 それにも増して、まだちょっと手続きや、いつワクチンが来るのかといったことが明確ではありませんので、そこのところはよく私どもも間に入って調整をしたいと思っています。
(記者)
 河野大臣が、丸川大臣から伺った話として、今の会場のトレセンでとご説明を受けたというふうにおっしゃっていましたが、ここも競技団体ごとに異なるのか、現時点でどういう報告を受けておられるかというのを教えていただけますか。
(大臣)
 私が今知ってる限りでのことで言うと、競技のチームによって、合宿する場所と、それから期間が、かなりみんなずれているんですね。そうすると、それを今から取りまとめて、どのタイミングだったら打てるかということを、目算を立てなければいけないということになるわけですが、それが一定数まとまるのか、全くばらばらなのかというのはまだ分からないです。
 仮にまとまってどこかで打てるとかいうようなことがあって、場所がないというようなときに、トレセンを使うことも考えうるのではないかということが言えると思います。
(記者)
 インターネット上などで、競泳の池江璃花子選手などに対して、五輪を辞退するようにだとか、そういうことを求めるようなメッセージが相次いだりして、それに対してメッセージを出したということもありましたが、そういうアスリートへの五輪中止を求める声について、大臣どのようにお考えでしょうか。
(大臣)
 非常に残念です。プロレスラーの木村花さんの例を出すまでもなく、匿名で、個人に対して言葉の暴力をぶつけるというのは、いかなる理由があっても許されないことだと思います。何かを理由にして、そういう行為を正当化したり、そういうことも起きるのは仕方ないという考えを持つのは、いじめを正当化するのと同じだと思います。
(記者)
 たびたびすみません。医療の負担なんですけれども、もちろん我々のチームが、海外からの国はもちろん、保険かけたんですけれども、たとえばオリンピック始まってから3日間とか、4日間とか分かりませんので、そのときが病気になっていって、どうしても入院しなきゃいけない。その病院代とか、薬代など、誰が負担するんでしょうか。
(大臣)
 保険に入ってらっしゃったら保険の契約の内容によると思います。
(記者)
 特に、日本国内の国ではなく、我々の一部ということですね。
(大臣)
 基本的には海外からおいでの方というのは、ご自身が入られている契約の保険の内容によってお支払いを受けていただいて、現場では自己負担ということになります。
(記者)
 五輪に対して中止を求めたり、反対する署名や活動が行われるそうで、作家の竹田恒泰さんが五輪の開催を求める署名活動を始めましたが、こういう動きに対してはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
 様々なご意見をお持ちになる方がいらっしゃって、それぞれの思いをほかの方と共有するというのは、それは言論の自由の国ですから当然のことだと思います。私たちとしてはまず、国民の安心と安全を守ることを第一に考えたいと思っております。
(記者)
 世論がこうやって中止を求めるような声も高まっている側面もあるかと思うんですが、どのように五輪に対する支持だとか、歓迎するような気持ちを高めていかれようと考えていますか。
(大臣)
 私の立場からは、具体的に安心安全がどのように実現されるのかということ、例えば昨日の予算委員会のような場面で、一つ一つご説明をしていくのが必要だと思っています。
 まだ私の立場からはこれは発言してはいけないといういろんな細かいことがあるわけですが、早く準備を整えて、そういうことを国民の皆さまに明らかにできるようにしていきたいと思います。
 
                
 以上