令和3年5月28日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 おはようございます。今日は二つお知らせがあります。
 まず、1件目です。ホストタウンの話です。ホストタウンの第30次登録として、本日、北海道札幌市の相手国として、カナダを追加しました。この登録件数は、これで456件。自治体数は528、相手国・地域数は184でありまして、他のホストタウンの契約を、協定を締結してらしたので、数には変更はありません。
 それから併せて、広島県広島市、広島県府中市、そして広島県廿日市市を、本日付で共生社会ホストタウンに登録をいたしました。これによって、共生社会ホストタウンは105件、109自治体となります。
 新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中でも、こうして精力的に相手国・地域との交渉を継続いただいて交流を開始されることに、大変感謝をしたいと思います。うれしく思っております。全国のホストタウンには引き続き、協力をして、支援をしていきたいと考えております。
 2件目です。既に手元に資料をお配りしておると思いますが、経済的な理由で生理用品を購入することができない女性や女の子がいるという、生理の貧困の問題に係る地方公共団体の独自の取組について、皆さまにお配りしている資料のとおり、男女共同参画局でまとめました。
 その結果、生理の貧困に係る取組を今現在実施している、あるいは既に実施をした、または実施を検討中であるという地方公共団体の数が、少なくとも255あることが分かりました。
 また、生理用品の調達元については、把握した中では、防災備蓄を活用されたところが最も多く、次いで、予備費の活用も含む予算措置、その次が、企業や住民の皆さまからの寄付ということになっておりました。
 この調査結果については、後ほど男女共同参画局のウェブサイトに掲載をいたしますが、各地方公共団体にも共有をして、地域女性活躍推進交付金の活用と併せて、さらに取組を進めていただく上での参考にしていただきたいと思っております。
 また、今回いろいろな配布の方向・状況があることを踏まえて、この配布をした方に対して、その方々が抱えている様々な困難、あるいは背景事象というものにどのようにアプローチをして、どのように支援につなぐことができたかということを、少し時間を置いて事例の収集をしたいと思っております。
 こうしたことをきっかけに、困難な状況にある女性あるいは女の子をしっかりと支援できる政策ツールというものを、我々もニーズに即した形で備えていきたいと考えております。
 以上です。

質疑応答

(記者)
 東京大会についてですが、大臣は以前から、来日する大会関係者の削減を強く求めておりましたが、先日組織委員会が発表した資料によると、IOCやNOCの関係者の数が、延期前から変わっていない状況です。大臣は、納得されていますか。
(大臣)
 とてもいい質問をいただきまして、ありがとうございます。実は、私もあれっと思いまして、武藤事務総長に確認をいたしました。実は私たちは、今回コロナ下での大会を迎えるにあたって、通常のオリンピックでは恒例となっているオリンピックファミリーの皆さん、あるいは各国NOC、IFの皆さまが配偶者を含む同伴者を帯同されるということをお断りしております。
 実はその数がまだ精査が済んでいないので、この中に含まれておりません。ですので、確実にまだここから減っていくということになります。武藤事務総長が、ご自分の会見の中で、この3,000人というのは大会運営上不可欠な人ですと自分で言ったんだけれども、あれは勘違いして言っていましたということで。実は、私たちが一番関係者の皆さまに、今回は本当に大会に必要な人だけにしてほしいと言っている、かなりコアの部分の一つである、配偶者を含む同伴者の帯同をやめるということについての数字が含まれておりません。
 精査され次第、これをしっかりと反映をしていただくということになっております。
(記者)
 先日、アメリカの医学誌が、4月に公表したプレイブックバージョン2を見て、科学的リスクに基づいていないですとか、感染対策が不十分だという指摘があります。この件について大臣の受止と、またバージョン3はいつごろお示しになる予定か、分かる範囲で教えていただければと思います。
(大臣)
 ありがとうございます。このご指摘の論文は、もう既に皆さん、取材でお読みいただいていると思いますけれども、私どもがきちんと読ませていただきましたところ、明確な事実誤認や誤解に基づく指摘が見受けられます。
 まず、明確な誤認についてですが、論文ではアスリートへの検査頻度が明確ではないとしていますが、プレイブックには、アスリートに対しては、原則として毎日検査を実施するということが明示してあります。
 また、WHOの協力を得るようにと指摘をされておりますが、プレイブックは、五者協議に参加している我々も含めたメンバーに加えて、WHOも参加するオールパートナーズタスクフォースというグループの知見も得て作成をされております。
 また、文中、試合中選手は携帯電話を持っていない、ウェアラブルをつけるべきだというご指摘がございますけれども、私どもが理解している限りで言いますと、オリンピックの競技というのは衆人環視のもと、全ての競技が何らかの形で映像に収められます。これ、OBSが作業されますが。こういう形で進められますので、このご指摘はあまり合理的ではないのではないかと思っております。
 また、誤解や一方的な認識に基づいた指摘ということで申し上げます。論文では、NBAやNFLのような、アメリカのプロスポーツにおける対応をスタンダードとして、これと比較をする形で優劣を指摘されております。
 しかしながら、IOCのバッハ会長が19日に開催された、IOC調整委員会の冒頭挨拶で指摘をされましたように、コロナ禍においても、世界の様々な国で430を超える国際大会が開催をされ、5万4,000人を超えるアスリートが参加し、無事に大会が開催されております。こうした様々な大会の経験をもとに、東京大会の準備を進めているところです。
 さらに、論文では、先日公表されたプレイブックバージョン2の内容について指摘をしているということでございますが、先ほど申し上げたような事実誤認がございますのと、プレイブックは、最終版を6月に公表することにしております。
 ですので、まだ検討途上の内容についてご指摘になっているということを、書いておられる側が理解をされていないのだろうと思います。
 一方、論文がおっしゃっているのは、東京大会の中止を求めるものではなく、東京大会を開催するための緊急の行動が必要だという趣旨で書かれているものと認識をしております。
 この論文は医学界でも権威のある専門誌に掲載されたものと承知をしておりますが、先月28日に公表した変異株等にも対応した、追加的な対策を含めて科学的な知見をさらにブラッシュアップして、6月のプレイブックに反映したいと考えております。
 国内外の専門家の皆さまに、こうした東京大会における対策の内容が正確に伝わるように、丁寧に説明をしてまいりたいと思います。
(記者)
 五輪の会場運営費に、一日一人35万円ほどと、毎日新聞の報道について2件質問があるんです。1件ずつ伺います。
 大臣は4月2日の閣議後会見、是非内訳を知りたいと述べられていたことについてです。こうした中での実際に内訳書と契約書、これをご覧になられて、大臣自身は、組織委員会の説明に納得されているのか、されていないのか。あと価格の妥当性、実際のその報道を受けて、国民の批判の声が高まっていますけれども、担当大臣としてこのまま放っておくつもりなのかお伺いできますか。
(大臣)
 まず、ご指摘の事業は、組織委員会が民間事業者と契約しているものであり、その契約内容については組織委員会において説明責任を果たすべきものと考えております。その上で申し上げますと、何度も説明しているので、皆さんご承知かもしれませんが、組織委員会がパートナーからなどの協賛金などにより、自ら収入を確保して実施する事業と、東京都や国から公費が投入される事業があります。
 このうち、東京都や国が費用を負担する、公費によって支援がされる事業については、それぞれの事業の執行が完了した後で、我々もお支払いをしますと。このお支払いをするときに、組織委員会と東京都と国の三者による共同実施事業管理委員会で、その執行をチェックするようになっております。
 私も、組織委員会に確認をさせていただきましたところ、以前そのような、これ単価と書いてあるけど、実際はこの人が率いるグループの人件費も含めて払われるのを、一人という書き方をして誤解を招いているんだということを言っておられたわけですが、別途それぞれの人にお支払いするときは、それぞれ契約を結ばれるんだそうです。
 恐らく私たちが、共同実施事業管理委員会で、実際にじゃあ公費を払うか払わないかという段になったときには、それも含めてチェックをするということでありますので、しっかりその時点でチェックをしたいと思います。
 かつ、公費が充てられる部分については、会計検査院が、合規性、経済性等の多角的な観点から、適切な執行が行われているかなどについて、検査を実施することになると承知しておりますので、当然ながら会計検査院の検査に対しては、組織委員会は適切に対応していただくものと認識をしております。
 ですので、最終的なチェックのときにはきっちりとチェックされるということを踏まえて、組織委員会が適切に対応されるべきであると考えております。
(記者)
 東京大会の選手へのワクチン接種についてお伺いしたいと思います。
 6月1日から、IOCから別枠で無償提供されるワクチン接種が日本選手団で始まると思うんですけど、選手の中には、先に打つことの罪悪感ですとか、一般の国民を優先してほしいとか、そういった声もあるんですけれども。もちろん打ち手は各競技団体のスポーツドクターが務めるのか、一般の国民への接種の影響がないということを、改めて大臣の方からご説明いただけますでしょうか。
(大臣)
 今回の接種は、各競技団体やスポーツドクターの皆さまにお声がけをして、独自のネットワークの中で、集めていただいた打ち手でお願いをしております。
 ですので、まず打ち手に関して言えば、今、自治体から声をかけている方ではない方にご協力をいただいているものと認識をしております。その上で、これだけ世界から、恐らく選手村に集まるアスリートの8割が接種を行ってくる見込みになっている中で、最終的には副反応への懸念等もおありになると思いますので、強制ではありません。義務でもありません。ご自身の選択でありますけれども、自分がベストだ、自分が最もいいパフォーマンスが出せるということをそれぞれにお考えいただき、また私どももちろんいつでも相談に応じますし、スポーツ庁もそんな体制を整えておりますので、ご連絡をいただければと思います。
 そうしたことで、選手の気持ちや、あるいは競技へ向けた姿勢というものをサポートしていけたらと思っております。
 
                
 以上