令和3年7月13日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 まず1件お知らせがあります。ホストタウンの第32次の登録として、先週7日に続いて、本日、千葉県我孫子市、東京都北区、岡山県総社市の3件を追加登録しました。これにより、登録件数は461件、自治体数は533、相手国・地域数はギニア・ビサウが増えて185となりました。
 東京大会開催まであと10日となり、各国から選手が続々と入国をしてきています。直接の交流ができない中でも、いくつかのホストタウンでは、選手がホストタウンの子どもたちとオンラインや練習見学などで交流をしていただいていると聞いております。
 適切な感染症対策を講じた上で充実した事前合宿が行われ、大会本番で最高のパフォーマンスを見せていただけることを期待をしています。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 先週の五者協議で1都3県の無観客開催が決定した後、当初有観客としていた北海道と福島県が一転して無観客での開催を決めました。
 一連の動きについて、政府や組織委員会の調整不足だったのではないかと批判の声もありますが、大臣はどのように受け止められていらっしゃいますでしょうか。
 また有観客で開催するとしている宮城・茨城・静岡について、そのまま維持できる見通しでしょうか。
(大臣)
 この度の五者協議の合意においては、緊急事態措置が講じられていない区域においては、それぞれの地域の状況を踏まえ、首長と協議の上、具体的な措置を決めるということとなりました。
 その後、各地域の感染状況がそれぞれに異なっている中で、国のイベント開催制限を目安に、主催者である組織委員会が関係自治体との間で協議を行った結果、北海道、福島県、埼玉県、千葉県、神奈川県で行われる競技については無観客。宮城県、静岡県で行われる競技については、6月の五者協議で合意された通り、観客の上限は「収容人数50%で1万人以内」、茨城県で行われる競技については、学校連携のみ実施となったものと承知をしております。
 国としては、これらのプロセスを経た判断を尊重したいと考えております。
(記者)
 今の質問に関連しまして、宮城県知事は復興五輪の貴重な発信の機会として、有観客での開催に強い意欲を示していますが、福島県が一転して無観客となったことで、宮城県も無観客にすべきだという懸念の電話やメールが500件以上寄せられる事態となってしまっています。
 この試合が迫る中でのこのような事態になっていることにつきましての受止をお願いいたします。
(大臣)
 まず福島県で行われる競技が無観客となることが決定をしました。このことについては、感染状況等を踏まえて、内堀福島県知事が大会組織委員会と協議をして決定したことと承知をしております。決定したのは大会組織委員会であります。
 競技の一部が無観客開催となる、被災地での競技の一部が無観客開催となるということは非常に残念でございますが、福島県のあづま球場で東京大会の幕開けとなる最初の競技が行われる、このことに変わりはありません。世界中の多くの皆さまにテレビ等での観戦を通じて、大会の雰囲気を感じて応援をしていただけることを願っております。
 またこれまでも被災地における取組としては、東京大会で調達される食材について、被災地産食材の活用を行うこと、またビクトリーブーケへの被災地の花の活用、そうした東日本大震災からの復興の後押しとなるような、被災地と連携した取組が行われてきました。復興ありがとうホストタウンにおいても、大変熱心な交流を続けていただいております。
 こうしたことから、被災地が復興を成し遂げつつある姿を、この大会を通じて、引き続き、世界に発信をしていきたいと思います。
 加えて、大会後も復興ありがとうホストタウンをはじめとする取り組みを通じて、選手等との草の根の交流、また次世代にこの交流が引き継がれていくことを願っております。
(記者)
 本日、来日した大会関係者4人が警察署に麻薬取締法違反で逮捕されたということがあり、それについての受止と、この4人は六本木か何かのバーにいたということ、それについての行動の制限等に関しての受止を。
 あと、大臣は常々監視員をおくというようなことで実効性を保つとおっしゃっていましたけれども、それが実際に成し遂げられなかったことについての受止をお願いします。
(大臣)
 ありがとうございます。まず本日は麻布警察署より、来日した外国人4名が麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されたことを発表されたということは承知をしております。この4名は、大会用仮設電源の設置管理を委託契約しているアグレコイベントサービスジャパンという会社の社員でありました。事案の詳細については、組織委員会を通じて確認をしているところです。
 仮に法令に反する行為を行ったことが事実だとすると、これは決してあってはならず、また東京大会をも傷つけるものであり、誠に遺憾です。
 組織委員会において、アグレコ社に対して厳重な注意を行ったということ、また徹底した再発防止に取り組み、信頼回復に努めるよう強く求めていると聞いておりますが、現在捜査中ということでありますので、私どもも、引き続き、情報の収集に努めてまいります。
 また、この4名の入国時期は、それぞれ2月1名、3月2名、5月1名ということを伺っており、いずれも14日間の完全隔離の後で仕事をしている、そういう方たちだと聞いています。ただ待機期間が明けたからと言って、不要不急の夜間の外出をしていたということは許されないことだと思いますので、きちんと関係機関において、法令にのっとって厳正な対処が行われるものと認識をしております。
(記者)
 今日から選手村開村したということで、こちらの感染対策について聞きたかったんですけれども、村で働くスタッフの人やボランティアの方、ワクチン接種が進んでいる中、派遣の業務、あるいは下請け、アルバイトで働いている人の中には、ワクチンが打ちたくても打てない人がいるという話を聞いています。
 こうした人がバブル方式の中で働くということになるわけですけれども、こうした方々の安心安全のために、対応についてどのように考えているか、お聞かせ願えますでしょうか。
(大臣)
 まずワクチン接種は選手のみならず、参加スタッフの皆さまの安全・安心につながることから、組織委員会が接種の機会を提供していると伺っております。
 また、選手及び大会関係者に無償提供されたワクチンについては、選手先週から大会関係者に対して、2回目の接種を開始したと承知をしております。
 このワクチンに加えて、定期的な検査や、この定期的な検査というのは以前からお話しておりますけれども、選手等との接触の度合いに応じて、頻度が決まっておりまして、その人たちの、それぞれの方の業務の内容に応じて、安全が守られる形で頻回の検査を行うということに組織委員会はしたと、実際にそれを行っていると伺っております。また厳格な行動管理を海外から来た方にはしていただいております。
 ということですので、健康上の理由や様々な理由でワクチンが接種できない状況であっても、安全・安心な環境を整えると組織委員会からお伺いをしているところになります。
 引き続きしっかりそうした運用を徹底していただくよう私どもとしてもお願いをしたいと考えています。
(記者)
 東京五輪について、首都圏、1都3県と福島、北海道の競技会場が完全無観客と決定しましたけれども、同時に開会式で1万人程度とされる国際オリンピック委員会、IOCなどの関係者、スポンサーが別枠の五輪ファミリーについては特別に入場を認めるという方針を、基本的に無観客という方針であるにも関わらず、IOC関係者でありますスポンサー、五輪ファミリーだけに特別枠を設けるのでは、選手のことを第一に考えるというアスリートファーストの東京五輪とは言えませんし、感染拡大を防ぐための無観客の方針なのに、その防御に大きな穴を空けてしまうことになります。
 また、特権を与えられるIOC関係者、五輪ファミリーの側も、感染リスクを冒してまで会場に足を運び、特別観戦する優遇を当然のことと考えているのだとすれば、もはや五輪マフィアと言わざるを得ません。
 我々、IOCのバッハ会長の東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならないという言葉を忘れていません。特権はIOC、バッハ会長、スポンサーらで、犠牲は東京都民ということなんでしょうか。これでは、今大会は特権的地位にある者だけが優遇される五輪マフィアファーストの大会であるという批判があっても仕方ないのではないでしょうか。
 最後に、丸川大臣はIOC関係者らに特権的な扱いをし、無観客のはずなのに、会場で観戦させるということについて、問題がないとお考えなのでしょうか。
 よろしくお願いいたします。
(大臣)
 大会関係者がどの程度開会式をはじめとする各セッションにお入りになるかということについては、真に運営に必要な方だけに限っていただきたいということを、私どもからも強く組織委員会にお願いをしているところであり、現在その精査の作業が行われていると伺っております。
 また、大会運営関係者については、他のスポーツイベントにおいても、観客ではなく主催者との位置づけのもとで参加していると理解をしています。
 引き続き、組織委員会において、より一層の縮減を図っていただくようお願いをしたいと思います。
(記者)
 IOCのバッハ会長が待機期間明けていろんなところに行かれるようになりましたけれども、丸川大臣はバッハ会長と直接会われて何かお話する予定というのは今のところそういった想定はあるのでしょうか。
(大臣)
 今のところ、私が直接会う予定が入っておりません。
(記者)
 IOCのバッハ会長とコーツさんが、広島と長崎を訪れる方向で調整されているのですけれども、この状況下で行かれるのは大臣は賛成ですか、反対ですか。
(大臣)
 私はそもそも行くかどうかという話も伺っておりません。
(記者)
 橋本聖子さんは行くと言っているんです。
(大臣)
 会長にまず確認します。
(記者)
 たびたびすみません、選手村の状況についてだったんですけれども、昨日組織委員会の方から、入村国数ですとか、人数、関係者、選手の内訳というところについて、詳細が把握できてないという話をいただいていたんですけれども、これについてコロナ対策として、大臣にとっては適切だと考えているかどうかについて、一言お願いします。
(大臣)
 私どもの方では、水際においでになった時点で、どなたがどのような状況にあるかということは把握をさせていただいております。まずこれが1点です。
 また選手村における発生状況については、組織委員会がきちんと取りまとめを行っていただいて、適宜適切に東京都、国にもお知らせをいただけると承知をしておりますので、引き続き、コロナ感染防止の対応については、組織委員会に徹底していただくように私どもからも厳にお願いをしてまいりたいと思います。
(記者)
 7月3日に羽田に到着したセルビア選手の一人がコロナ陽性と判明しました。7月1日から4日までに日本に到着した海外選手団約400人に一人の陽性者であることから、同じ比率ならば、23日の開会式において、32.5倍の約5.3万人の選手団や関係者が来日し、単純計算で130人以上の陽性者が発生することになります。選手村が巨大なクラスターになりはしないんでしょうか。
 一方、成田で陽性が確認されたウガンダ選手団のメンバーは、10日間の隔離が無症状だったため、泉佐野市の合宿地に移動しましたが、男性1人再び陽性が確認されました。ところが泉佐野市は陽性になることがあるが、二次感染のリスクが低いため新たな療養や行動制限が必要ないと発表しました。
 二次感染のリスクが低いと考えられることと、リスクでは全く異なります。集団行動の中で感染が起きないと断言できるのでしょうか。今後五輪関係者に上記のような行動制限の緩和が認められれば、非常に国民の不安をかき立て、安心安全とは程遠い情景になると思われます。
 大臣はこの陽性者大量発生の可能性と、隔離や行動制限の基準についてはどうお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(大臣)
 すみません、今整理されている手元の数字だけで申し上げますので大変恐縮なんですが、7月1日から12日までの選手団の入国は、スタッフだけの入国も含めて、69の国・地域から2,601人が入国をしています。その中で、入国した選手団の空港での検査では、7月3日入国のセルビア選手団から1名陽性が判明した以降は全て陰性となっていると伺っております。
 引き続き、水際対策をしっかり行っていくということを、厳重に私どもも進めてまいりたいと思っております。
(記者)
 今、大会関係者のホテルの監視員というのは、どういう状況になっていると、大臣が把握している限りで構いませんので、ちゃんと置かれて出入りはチェックされているんでしょうか。
(大臣)
 私が組織委員会から伺っている限りにおいては、少なくともこのオリパラ体制になってから、関係者が泊まるホテルは指定をされていて、それぞれ出入りを監視していると伺っております。
(記者)
 オリパラ体制というのは7月1日から。
(大臣)
 基本的には7月1日からということになります。
 
                
 以上