令和3年7月20日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 おはようございます。冒頭2件、お知らせがございます。
 まず1件目です。既に事務局からリリースをしておりますが、「ホストタウンハウス」が23日金曜日10時にオープンします。「ホストタウンハウス」は大会期間中の7月23日から9月5日の45日間、世界の皆さんに大会史上初の取組であるホストタウンをオンラインで紹介するものです。
 本大会では、コロナ禍の影響により、残念ながら、海外から観客をはじめ、多くの方々に、直接大会の盛り上がりを感じていただく機会が少なくなってしまいました。このような状況の中でも、ホストタウンが創意工夫を凝らしながら、相手国・地域の選手や市民の皆さまと続けてきた交流の成果を、世界中の方々に知っていただければと思います。
 また、国民の皆さまには、お住まいの地域やふるさとが、東京大会を契機としたホストタウンの取組を通じてどのようなレガシーを残そうとしているのか、是非ご覧いただければと思います。
 その他の詳細については会見後に事務局から説明がございますので、そちらでご質問等お願いいたします。
 続いて2件目です。3日後、いよいよ国立競技場において開会式が開かれます。それに先立ちまして、明日、東日本大震災の被災地である福島県の福島あづま球場でソフトボールが、宮城県の宮城スタジアムでサッカーの予選が始まります。日本が世界の国々の支援によって震災から復興しつつある姿を示したいと思います。
 安全・安心を最優先としつつ、世界が新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、我々が団結し、この困難を乗り越えられることを、世界に発信する大会にしたいと思っております。
 本日も世界中から多くのアスリートを日本にお迎えしており、世界の最高の競技が繰り広げられることを期待しております。世界の頂点を目指すアスリートの姿を通じて、次の時代を生きる子どもたちに、夢や感動を味わってほしいと考えております。
政府としては、安全・安心な大会の成功に向けて、最後までしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 開会式を3日後に控え、五輪開催に伴う入国者数がこの土日にピークを迎えました。
 大会組織委員会の発表では、選手村に滞在する外国人選手2人が陽性、21人が濃厚接触者に認定されるなど、陽性判明が相次いでいます。
 こうした現状は、検査の徹底によって水際対策が有効に機能している状況だと言えるのでしょうか。また、バブル内での感染拡大の恐れはないのでしょうか。五輪本番を前に、改めて水際対策は万全だと言えるのか、大臣のご見解をお伺いします。
(大臣)
 選手村に滞在する選手2名およびスタッフ1名が、選手村における定期検査において陽性が確定し、21名が濃厚接触者と認定されたということは承知をしています。選手等については、出国前2回の検査、入国時の検査に加えて、入国後は毎日検査を行うこととしており、今回の陽性者は入国後の検査、それぞれ入国後2日目、また3日目で陽性が確認されたケースとなります。
 これは入国後に毎日検査を行うことにより、速やかに陽性者や濃厚接触者を捕捉できた事例であると認識しております。
 また、当該選手等については、選手村では組織委員会の厳格な行動管理の下に置かれ、陽性や濃厚接触の認定後は速やかに隔離措置が取られたと承知をしております。
 政府としては、安全・安心な環境を確保することを最優先に、内外の感染状況を踏まえて、しっかり適宜適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
(記者)
 開幕まであと3日なんですけれども、昨日、開会式の楽曲を手掛ける小山田圭吾さんが、過去の雑誌の発言で辞任を発表されました。
 まずはこの受止と、組織委員会は当初、続投させるつもりでしたが、一部判断を誤ったとして辞意を受け入れました。この一連の対応について、どうお考えでしょうか。
(大臣)
 昨夜、小山田圭吾氏が組織委員会に対して辞任を申し出、組織委員会がこれを受け入れたということは承知をしております。障害の有無に関わらずいじめや虐待はあってはならない行為であり、また政府として共生社会の実現に向けた取組を進めており、これらに照らしても全く許されないことだと認識をしております。
 今回の東京大会では、1つはコロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを東京から発信していくということと、招致をした時から取り組んできたことでございますが、史上初めてパラリンピックを2度開催する都市となり、障害のある方もない方も、みんなが助け合ってともに生きるという共生社会の実現に向けた、心のバリアフリーの精神をしっかり伝えるということに取り組んでまいりました。
 このようなことに鑑みましても、政府としては、今回、組織委員会の判断をしっかりと、改めて組織委員会にもご認識をいただいた上で、東京都と連携し、またIOC、IPCとも連携をして、大会の精神というものがしっかりと共有されるように努力をしてまいりたいと思います。
(記者)
 韓国のオリンピック委員会を兼ねる組織が、選手団に放射能の懸念があるとして、福島県産食材を食べないように指導し、選手村での食事の代替案として独自に給食センターを設置しました。福島県知事は、このような偏見、風評被害をなくすために、政府に一層の協力を求めています。政府として今回の韓国のケースに対して具体的な何か対策というのはお考えでしょうか。
(大臣)
 被災地の食材は関係法令に基づき安全性が確保されており、放射性物質汚染を理由に自国の食材を持ち込む必要はないと考えております。引き続き、政府としては、科学的根拠に基づいた正確な情報を各国に対して丁寧に説明してまいりたいと考えています。
(記者)
 小山田さんの件に関連してお聞きします。昨日、加藤長官も会見で、組織委員会に適切に対応してもらいたいとメッセージを出していましたが、この間、政府として大会組織委員会などとどのようなやりとりがあったのか、大臣が把握されている範囲で経緯をお聞きできれば。
(大臣)
 最終的にご判断は主催者である組織委員会において判断されたものと認識しております。
(記者)
 その間は組織委員会とどのようなやりとりが政府としてはあったのでしょうか。
(大臣)
 少なくとも私自身は、組織委員会の当初の考えについては、私のコメントをちょっと今思い出しています、「理解できません」と申し上げました。
(記者)
 大臣が昨日、札幌のマラソン・競歩コースを視察されたという報道がありましたが、その事実確認と、あと視察された狙い、あとコースを見た感想。それから、公に事前に公表して行かなかった理由について教えてください。
(大臣)
 特段、公にしなかったという認識はございません。業務上必要でしたので行ったということであります。
 1つは暑さ対策がどのような状況になっているのかということでありまして、報道等で、札幌ではありませんけれども、道内で非常に高い気温が出ているということでしたので、札幌の暑さの対策というものを伺いにまいりました。
 それともう1つは沿道の対策であります。公道での競技でございますので、沿道でどのように密にならない対策を取っていただけるのかというところを、コースを全て回らせていただいて確認してまいりました。
 特に重点的な対策を取るべきところは共有できました。加えて言うと、大通公園の部分、それから北大の部分。これは周回をするコースですので、コースの全体の長さは42.195kmですが、実際の外周の距離というのでしょうか、この部分は1,000人で、コースの内側と、それからコースの外側にも1,000人という、非常に手厚い体制で密対策をしていただくということになりますので、特に密になりそうな所を重点的にしていきましょうということを共有できたと思います。
(記者)
 大臣としては今の体制は評価できるという認識ですか。
(大臣)
 現時点ではそのように感じました。引き続き、再点検をしていただくべきことを、重ねてお願いをしました。
(記者)
 菅首相は今日発売のスポーツ新聞で、パラリンピックの観客数について、感染を収束させて、できれば有観客で開催したいという考えが出ていますが、丸川大臣はどのようなお考えですか。
(大臣)
 感染状況によりますので、まずはしっかりと感染を抑えていく。そのことについては国民の皆さまにも多大なご協力を頂いておりますし、私どももしっかりと呼びかけを行ってまいりたいと思っております。
 そのような中で状況が許せば、是非パラリンピックは観客を入れて行いたいと。できれば学校観戦等、子どもたちの観戦が可能になるような環境をつくりたいと思います。
(記者)
 あと3日ですけれども、安全・安心な大会に向けて完璧な準備が今整ったと言えるのかという大臣の受止と、1年という延期期間が今振り返って適切だったのか、足りなくはなかったのか、そこの所感をお願いします。
(大臣)
 日々、新しい課題が生じるということが、これだけの大きな規模の取組ですので当然のことと受け止めつつ、いかに迅速に起きた課題に対応していくかということを、日々心掛けています。大会期間中もパラリンピック終了まで緊張感を持って臨みたいと考えています。
(記者)
 延期の期間についてはいかがですか。1年というのは適切だったと思いますか。
(大臣)
 延期の期間については、今、目前に大会が迫っておりますので、大変恐縮ですが、今ここで何か私がそれを評価できる状況にはございません。
(記者)
 大会関係者、メディアとかも含めてなんですが、滞在しているホテルで15分のルールという貼り紙を組織委員会が貼ったということを巡って、野党側がバブルは崩壊しているのでないかと指摘しています。
 担当大臣として丸川大臣、この貼り紙の中身が適切だと思うかということと、もし適切でないとすれば、どういった点が適切ではないと考えているか、教えてください。
(大臣)
 これはホテルの入り口で、案内ボードのようなかたちで関係者に示されていたと伺っております。この案内ボードについては、現在の記載では誤解を生じる恐れがあることから、昨日、組織委員会に対して、案内板を全面的に見直し、プレイブックに基づく厳格な運用を行うよう求めました。引き続き、速やかに是正されるかどうか確認をしてまいりたいと思います。
(記者)
 どういった点が誤解を生じるというふうにお考えですか。
(大臣)
 原則は帯同なしの外出は認めないということになっており、地域によってはそのような必要なものを入手するための、例えば配達であるとか、ネットでの購入等を認めている所もございます。こうしたことについて、滞在先の協力を求めていく努力を続けていくと同時に、そうしたきめ細やかな対応を組織委員会にはお願いをしたいと思います。
(記者)
 いよいよオリンピック開幕ということで、宮城と静岡に関しては有観客、観客を受け入れるというかたちですが、懸念としては、緊急事態宣言が出ている東京からチケットホルダーの方が観客として行かれるということに、皆さん、懸念を持っている人が多いんですけれども、東京のチケットホルダーが宮城、静岡に行くこと、これは不要不急の外出に当たるのか当たらないのか、大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
(大臣)
 まず今回、有観客ということをそれぞれの地域の状況に応じて各知事がご判断されたということでございます。それが関係自治体協議会の結果です。そして、各知事は直行直帰ということを強く求めておられます。観客としておいでになる皆さま方には、くれぐれもこの地域としてのご要請を受け止めていただき、このルールに従っていただきたいと思います。
 また、プレイブックとは別に、観客の観戦ガイドラインというものもございますので、是非目を通していただいて、このルールを守っていただきたいと思います。
(記者)
 不要不急の外出には当たらない?守っていただければ。
(大臣)
 北海道の観戦については公道でありますので、道外の方が道内にお入りになるのは自粛をしていただきたいです。
 
                
 以上