令和3年8月10日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 まずこちらからお知らせが2件ございます。
 1件は、本日、復興ありがとうホストタウン1件を決定したというお知らせです。岩手県遠野市がブラジルを相手国として、復興ありがとうホストタウンを登録されました。遠野市は、既に先導的共生社会ホストタウンに登録をされておられます。
 これまでブラジルとの交流も深めてきていただいているところですが、他方、遠野市は東日本大震災の際に、後方支援の拠点となった地であります。この度パラリンピックを目前として、復興支援への感謝の気持ちを発信する「復興ありがとうホストタウン」にも登録したいということで決断をいただきまして、登録することにいたしました。
 これにより、復興ありがとうホストタウンの登録は33件・33自治体となりました。
 東京オリンピックが閉幕し、ホストタウン等においてはパラリンピックに向けた合宿の受入も始まっております。引き続き、各自治体で工夫を凝らしながら交流をしつつ、大会の応援をいただけるものと期待をしております。
 次に、2件目でございます。東京大会の選手村のカジュアルダイニングにおける大会史上初の産地表示として発信しているその内容を今週中を目途に順次、公開予定としていることをお知らせさせていただきます。
 選手村のカジュアルダイニングでは全国47都道府県の食材を活用するとともに、被災地産の食材及び開催地の東京の食材、これらを活用した日本食を地方ブロック単位で提供をしていただいておりました。
 皆さまの関心も高いことから、組織委員会と連携して、内閣官房オリパラ事務局のホームページにおいて、選手村の食堂で選手に向けて放映されていた情報提供の映像を公開させていただきます。
 詳細については、この後、記者ブリーフィングを実施いたしますので事務方にお問い合わせをください。
 以上です。

質疑応答

(記者)
 オリンピックが閉幕しましたが、大会期間を通して現状どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
 また大会期間中に感染者数も過去最多となっておりますが、オリンピックの開催とは関係ないと言えますでしょうか。お願いいたします。
(大臣)
 まず17日間にわたるオリンピックが多くの国民の皆さまのご理解とご協力のもとに開催をされ、8月8日に閉幕をいたしました。206の国・地域から33競技、339種目、1万1,000人以上の選手が参加をされ、そして多くの大会関係者、ボランティアの皆さま、また医療従事者の方々のご協力、ご尽力によって、無事に大会を終えられましたことに、まず心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、この場をお借りいたしまして、全国からご協力をいただいた警察官の皆さま方、また自衛官の皆さん、そして多くの政府関係機関、地方公共団体の関係機関の皆さま方に、空港あるいは会場、様々な場面で現場の最前線で業務にあたっていただきましたことにも、あわせて深く感謝を申し上げます。
 コロナ下での開催となりまして、国民の皆さまには自宅でテレビ等を通じて観戦してくださいというお願いをしてまいりました。オリンピックの開会式の平均世帯視聴率、56.4%。またソフトボールの女子決勝、サッカー男子準決勝のスペイン戦などの平均視聴率が、世帯ですけれども20%を超えるなど、非常に高い視聴率を記録をいたしたわけでございます。
 多くの方に、連日アスリートの活躍をご自宅で観戦をいただけたのではないか、そのことの表れがこの世帯視聴率にあるのではないかと考えておりまして、こうした国民の皆さまのご協力にも感謝を申し上げたいと思います。
 そして大会に参加した選手、大会関係者、定期的な検査や厳格な行動管理、また健康管理などの防疫上の措置を大会期間中たびたび組織委員会とも連携しながら徹底を図らせていただきました。
 国内にお住まいの方々との接触を厳に回避するということで、厳しい措置もお願いをしてきたところでございます。
 こうした感染症対策については、特に陽性者が発生した場合には、組織委員会の感染症対策センターと東京2020大会保健衛生支援東京拠点が連携をして、陽性者を療養施設等に搬送し、また濃厚接触者を速やかに特定して他者との隔離を行うなどの対応を行ってまいりました。
 この結果、8月9日の時点で組織委員会が公表した資料によれば、海外からの入国者およそ4万3,000名のうち、陽性者は累計で151名でありました。入院された方は累計4名、重症者は出ていないと伺っております。
 このようなことからも、オリンピックの開催は感染拡大の原因にはなっていないものと考えております。
 以上です。
(記者)
 復興五輪の具現化という観点からは、この大会期間はどのように振り返られますでしょうか。
(大臣)
 まず聖火リレーが福島から始まりました。そして大会で最初の競技、女子ソフトボールでありましたけれども、これが福島で行われ、金メダルを獲得しました。
 続いてこの大会、野球も福島から始まったわけでございますが、これも金メダルでございました。素晴らしい成果を上げさせていただいたのも、まず福島から送り出していただいたおかげだと思います。
 加えて、選手の皆さんが口々に、福島から応援をいただいたことへの感謝ということを述べておられました。
 それから、復興ありがとうホストタウンという形で合宿を受け入れていただいたり、また選手との交流をしていただいたことによって、多くの選手の皆さんが、私たちがこの五輪を復興の発信という思いを持って行っていることに共感をしていただき、SNS等でも福島の桃のおいしさを伝えていただいたり、様々な応援をいただいたと感じております。
 そしてまた、ビクトリーブーケでありますけれども、これは本当に夏、花が少ない時期なのでございますけれども、被災地の皆さんが大変ご尽力を賜りまして、全てのメダルを獲得された選手にこのビクトリーブーケをお送りすることができたというのは、大変大きな喜びでございました。
 また、ちょっと前後しますけれども、アメリカのソフトボール代表のエリクセン監督も会見で「初めて福島に行った人は、福島で大災害があったとは思わないだろう」と、「コロナのせいで福島の人々が世界に発信できないのは残念だが、我々は福島の人々の復興の力を知っている」と話すなど、被災地の復興しつつある姿を実感されたということを述べておられます。
 実際には、メインプレスセンターで被災地に関する情報発信というのを、ブースを設けて行っておりました。
 そしてまた被災自治体や関係機関と連携をして、様々な発信を行ってくることができたと思っております。
 被災地の食もお楽しみいただけましたし、また必ずホストタウンのつながり等を通じて、選手の皆さん、また関係者の皆さんが被災地を訪れてくれるように、引き続き、政府としては支援を続けてまいりたいと考えています。
(記者)
 五輪の競技会場での食品ロスについて伺わせてください。オリンピックの期間、およそ1カ月間に20カ所の競技会場では、およそ13万食の食品が廃棄されたという報道もあります。
 組織委員会はこれについて調査をする考えを示していますが、大量のそうした食品廃棄が出ていることへの受止、また大臣の方で何かご把握されているものがあればお願いをしたいというのと、もう1点、この件も含めですが、今回このオリンピックを通してこの2週間で得た何か知見であったり教訓というのを、パラリンピックにどのように生かしていくのか、お願いします。
(大臣)
 オリンピック東京大会の開会式において弁当が廃棄されていた問題について、開会式の会場以外の場所を含む食品ロスは、開会式が開催された週までは概ね2、3割の余剰が生じていたということが、組織委員会により確認されています。
 組織委員会ではこのことについて、弁当の発注と当日の実需の間に誤差が生じ、様々な理由でその食事を食べることができなかった人がいたということを原因として説明をされています。
 大会組織委員会では、開会式のあった翌週から各会場において、発注量を適正化したとのことであり、全体としてどのくらいロスがあったのかについては、把握をして何らかの形でお知らせすると伺っております。
 政府としては、組織委員会にしっかりと説明をしていただきたいと考えています。
(記者)
 五輪の費用負担の関連についてお伺いします。今回多くの競技会場が無観客となった結果、チケット収入がほぼなくなって、組織委員会が赤字になるのはほぼ確実と見られています。政府として、東京都の費用負担について協議するお考えがあるかどうか、改めてお考えをお聞かせください。
(大臣)
 まだこれからパラリンピックがございますので、パラリンピックの状況もしっかりと政府としてよく見ていきたいと思います。
 感染対策については政府もかなりきちんと負担をさせていただいておるところでございます。これは東京都とも協力しながらやってきていることでございます。感染対策は必要に応じて柔軟に、強化すべきところは強化すべきと思っておりますので、今後しっかりと、まずどういうところが結果的に支出が多くなったのか、あるいは逆に観客がいなかったことで支出をしなくて済んだ部分というのはどこなのかということの精査を、組織委員会にしていただきたいと考えております。
(記者)
 パラリンピックの観客数についてなんですけれども、五輪の終了後に改めて協議するということですが、今の見通しと五者協議の日程はどのような。
(大臣)
 7月8日の五者協議で、パラリンピックの観客については、オリンピックの大会が終了した後に改めて議論をするということになっておりました。そこのところは今も変わっておりません。パラリンピックは8月24日からでございますので、それまでの間に協議を行いたいと考えています。
(記者)
 この時点で決まった日程はないんですか。
(大臣)
 ございません。
(記者)
 オリンピック以外の質問で恐縮なんですけれども、今月の15日に靖国神社に参拝される予定はありますか。
 また、されるされないの理由を教えていただきたいのと、その前後に参拝する予定があるか、それも併せて伺いたいと思います。
(大臣)
 参拝する予定はございません。
(記者)
 理由はあるんですか。
(大臣)
 どのような理由でというのは個々にそれぞれが判断するべきことでございますが、私は参拝いたしません。
(記者)
 IOCのバッハ会長が銀座で散策していた姿がSNS等で出ているんですけれども、これについて、選手に観光を禁じていたIOCのトップがそういった行動をしているということは示しのつかないことだといった声も上がっています。
 ただ、都内では緊急事態宣言も発令中です。こういったことも踏まえて大臣はどのように考えていますか。
(大臣)
 まず14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているかということは重要なポイントだと思います。加えて不要不急であるかということは、これもしっかりご本人が判断すべきものであります。
(記者)
 文春オンラインが内閣官房参与の平田事務局長がゴルフレッスンを無償で受けていたことと、そのために公用車を使用していた疑惑を報道しています。
 大臣ご自身は平田さんからどのような説明を受けておられますでしょうか。
(大臣)
 この件については、現在事実関係を確認をしているところです。本人からは、毎月のレッスン料については適切に支払いがなされているものと認識をしているけれども、誤解を持たれないように念の為確認をした上で適切に対応してまいりたいというご連絡をいただいております。
(記者)
 公用車の件についての説明は。
(大臣)
 この件についても、現在オリパラ事務局において事実関係を確認をしているところです。
(記者)
 何度も申し訳ありません。名古屋市の河村市長が選手の金メダルをかむということがありましたけれども、それについての大臣の受止と、その金メダルは交換する可能性というのはあるんでしょうか。
(大臣)
 金メダルを交換されるかどうかについては組織委員会及びIOCで確認されることだと思いますが、選手がどのような思いでそのメダルを獲得したかという気持ちを考えて差し上げることは大切だなと思います。
 
                
 以上