令和3年8月20日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 おはようございます。今日2件お知らせがございます。
 まず1件目は、男女共同参画の関係でございます。男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会の下で開催いたします「配偶者暴力防止法見直し検討ワーキング・グループ」の第1回会合について、8月24日に開催することとなりました。
 配偶者からの暴力は、重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、こうした配偶者からの暴力を含む女性に対する暴力の相談件数は増加をしております。また深刻化も懸念をされているところです。
 配偶者暴力防止法については、令和3年3月に専門調査会で取りまとめられた「DV対策の今後の在り方」において、通報の対象となる暴力の形態、保護命令の申立てをすることができる被害者の範囲の拡大などについて見直しの方向性が示されました。
 これらの指摘等を踏まえて、このワーキング・グループでは、配偶者暴力防止法の見直しに向けた法制面及びこの法律の運用といった実務面から検討を行うこととしております。
 以上でございます。
 続いて2件目お話をしたいと思います。いよいよ4日後に、パラリンピックが開幕をいたします。史上初の同一都市で2度目のパラリンピック開催、これは誰もが自らの夢に向かって活躍できる共生社会の実現へと、日本社会を大きく後押しするものです。
 この大会では、残念ながら、無観客での開催になってしまいますが、世界中からたくさんのパラアスリートを日本にお迎えをしております。障害の種別に関係なく、全力でチャレンジをし、ベストを尽くすパラアスリートの皆さんの姿を通じて、特に次の時代を生きる子どもたちが、自分たちの秘める可能性に気が付き、また多様性を認め合える心を育んでいただければと考えております。
 また、政府としては、パラリンピック選手の受入をきっかけに共生社会の実現を目指す共生社会ホストタウンの推進やユニバーサルデザインの街づくり、心のバリアフリー教育にも取り組んでまいりました。
 こうした取組が社会に根付き、大会のレガシーとして花開くことを目指して、安全・安心なパラリンピックの成功に向けて、最後までしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 また、パラリンピックに向けて、昨日までに51の国・地域から1,679人の選手等が事前キャンプのために入国をしております。これは事前キャンプで入国をされた方の数を計上しております。選手等です。
 選手の皆さまには、こうした事前キャンプ等も通じて、是非最高のパフォーマンスで競技に臨んでいただけたらうれしく思います。
 一方、ジョージアのパラ柔道選手が飲酒をして、宿泊施設の警備員の方を暴行して逮捕されるという事案が発生をしております。誠に遺憾ではありますけれども、警察も捜査をしておりますので、しっかりと状況を見守りたいと思っております。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 学校連携観戦プログラムにつきまして、尾身会長は昨日の閉会中審査で、「感染状況がかなり悪い中で観客を入れるのがどういうことかを考えていただければ、当然の結論になると思う」と慎重な考えを示しています。感染症の専門家がこのような慎重な考え方を示している中でも、丸川大臣は学校連携観戦は実施すべきとお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。
(大臣)
 昨日の参議院内閣委員会において、尾身会長が学校連携観戦について慎重なお考えを述べられました。他方、先日の四者協議では、東京都、埼玉県、千葉県に緊急事態宣言が発出され、四者協議の時点では静岡県が緊急事態宣言発出の要請をしている状況でしたけれども、本日よりその緊急事態宣言が発令されたところであります。
 こうした感染状況を踏まえて、政府のイベント規制は緊急事態宣言中も5,000人あるいは50%以下の小さい方ということでございますけれども、より厳しい措置として、全ての競技において無観客とした上で、学校連携観戦については、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、保護者等の意向を踏まえて自治体や学校設置者が希望する場合には、安全対策を講じた上で実施できるようにすることで合意をされたところです。
 また、この協議に先立ちましては、関係する1都3県の知事の皆さまと、その方向性について確認をいたしました。学校連携観戦の実施にあたっては、児童生徒の感染防止対策として、会場内でのフィジカル・ディスタンスの確保、会場への往復時の安全対策や円滑なアクセス手段の確保など、感染症対策に加えて熱中症対策に係る必要な措置についても、組織委員会と関係自治体とで連携をしながら、万全を期していただきたいと思います。
 政府も必要な支援はしっかりと行いたいと考えています。
(記者)
 昨日、オリンピックのボランティアの方、河島ティヤナさんはジャマイカ観光大臣から、あなたはボランティア・オブ・ザ・イヤーと言われましたので、私の言いたいことが、こういうお礼のシステム制度を作ればいいと思いますけれども、次はパラリンピックなんですが、パラリンピックの中でベスト・オブ、例えばボランティア、それだけではなく、ホストタウンのベスト、素晴らしいホストタウンとか、こういうお礼、例えばオリンピック大臣賞、あるいは特別賞、奨励賞を作ればいかがでしょうか。
(大臣)
 ご提案誠にありがとうございます。この方はボランティアというふうに報道されておられましたけれども、実際は大会の運営スタッフのお一人であります。
 ホストタウンについても、今パラリンピックに向けてまた大変ご協力をいただいているところでございますが、終了後、今それぞれに、例えば共生社会ホストタウンですとか、復興ありがとうホストタウンですとか、それぞれのホストタウンの連携の中で一度集まろうと。オンラインでございますけれども、そうした中でお互いの活動の内容や、あるいは素晴らしい取組についてお互い紹介し合う機会を持とうという話を計画されていると伺っておりますので、そうした中でどのようなことができるかまたご相談をしてまいりたいと思います。
(記者)
 IOCのバッハ会長が来日される予定ということなんですけれども、こちら詳細について把握されていますでしょうかということと、23日で調整とのことなんですけれども、本来大会関係者は3日間の隔離求められているんですが、こちら23日としたら、来賓とか大会関係者ではないところで来日ということなんでしょうか。
(大臣)
 まずIOC会長は通例、パラリンピックの開会式には出席されているということでございますが、今回の来日については現在調整中ということで、IOCから公表されるということを理解しております。
 来日される場合には、必要な感染対策を講じた上で、パラリンピック開会式への出席のほか、競技視察といった必要最低限の訪問先への訪問を予定しているものと承知をしております。
 なお、仮に今ご指摘のあったような3日間の隔離をせずに開会式へ出席される、またパラリンピックに関係する活動を行うという場合には、入国前後の予定から待機緩和が不可欠な方々について行っているのと同じように、しっかり入国前に健康管理を行っていただくということと同時に、入国後の行動範囲、これは厳しく制限をさせていただきます。
 今回組織委員会とも改めて連携をいたしまして、受入責任者組織委員会となりますので、厳格な行動管理、定期的な検査をしていただきたいということ、これをお願いしているところでございます。
(記者)
 学校連携観戦について、一部では判断を保護者とか、あるいは自治体に任せているのではないかという声もありますけれども、それについてはいかがでしょうか。
(大臣)
 今回の措置については、まず自治体からも大変強いご要望がある中で、できるようにする環境を整えるということが四者の間で合意をされたところでございます。
 感染が拡大しないようにということは、組織委員会、そして関係自治体としっかり連携をしていただくとともに、万全を期していただくべく、政府としてもできる支援はしっかりやっていきたいと考えております。
 
                
 以上