第20回日・EU定期首脳協議(結果概要)


平成23年5月28日

 28日10時30分(現地時間)から約2時間半、ブリュッセルのヴァル・ドゥシェッス城において、我が国より菅総理、EU側よりファン=ロンパイ欧州理事会議長及びバローゾ欧州委員会委員長他が参加し、第20回日EU定期首脳協議が開催されたところ、概要は以下のとおり。協議の成果として、共同プレス声明(仮訳骨子)(全文仮訳英語版)及び原子力安全に関する付属文書(仮訳骨子)(全文仮訳(PDF)英語版(PDF) )を発出した(別添)。

1.日EU関係

(1)冒頭

 はじめに、ファン=ロンパイ欧州理事会議長及びバローゾ委員長から、ローマ条約交渉が行われたヴァル・ドゥシェッス城に菅総理をお迎えした、今回はKizunaサミットとしたいと述べると共に、東日本大震災に関し、お見舞いの言葉が述べられた。これに対し、菅総理から、東日本大震災に対するEUからの支援及び連帯の表明に対し、また、ヴァル・ドゥシェッス城というEUの歴史上、極めて重要な場所において、本日の協議を開催したEU側の配慮に感謝の意を表した。その上で、両首脳は、日本とEUは基本的価値を共有するグローバル・パートナーであり、その協力関係を一層拡大・深化させ絆を深めることが世界の平和と繁栄に寄与していくとの認識で一致した。

(2)日EU関係の包括的強化(含むEPA)

 菅総理から、EPAは、こうした包括的な関係強化のための重要な構成要素と考える旨述べ、双方で、日EU関係の包括的強化の重要性につき一致した。
 両首脳は、昨年度の日EU定期首脳協議において設置された日EU合同ハイレベルグループ(JHLG)を通じた作業を踏まえ、次のステップとして、日EU・EPAについて、交渉のためのプロセスを開始することに合意した。また、政治分野等に関する国際約束についても、EPAと同様のプロセスの開始に合意した。

(3)また、両首脳は、日EU関係を政治面の協力でも着実に進展させることが重要であり、合同ハイレベル・グループで特定されたアフガニスタン及びパレスチナ支援、原子力安全協力、災害分野での協力などでの協力を進めて行くことで一致した。


2.グローバルな課題

(1)原子力安全及びエネルギー問題

 菅総理から、我が国の今後のエネルギー政策について、原子力と化石燃料の2本柱に、再生可能エネルギーと省エネを加えて、「エネルギーの4本柱」として推進していく旨説明するとともに、原子力については、今般の事故の徹底的な検証を踏まえて、より一層の安全性を確保していく、 また、これらについてEUとも協力していきたい旨述べた。

(2)グリーン経済及び気候変動

 菅総理から、エネルギー政策の4本柱について説明するとともに再生可能エネルギーをはじめとする分野で、エネルギーの技術革新も含め、新たな環境技術の開発や普及等に向け、日EU間の協力を強化していきたいと述べ、気候変動、リオ+20、CBDなどにおいても協力してリーダーシップを発揮し、世界の持続的発展に貢献することで一致した。

(3)世界経済(含むWTO・DDA)

 両首脳間で、双方の経済状況について意見交換するとともに、G8サミットの結果も踏まえ、G20カンヌ・サミットの成功を視野に世界経済の持続的成長を確実なものとするための日EU双方の役割を議論。また、菅総理から、ドーハ・ラウンド交渉の現状と見通しについて述べるとともに、保護主義的動きを抑止していく必要性に言及した。さらにレア・アースを含む資源の安定的供給に向けても協力していくことで一致。


3.地域情勢

(1)中東・北アフリカ情勢

 菅総理から、G8サミットでは、中東・北アフリカ諸国の国内諸改革及び安定的な体制移行に向けた努力を支えるため、公正な政治・行政運営、人づくり、雇用創出・産業育成を中心に支援していくことを説明し、EUとも緊密に連携していきたい旨述べた。

(2)イラン

 菅総理から、イランの核問題を深刻に懸念している旨述べたのに対し、EU側から、イランの核問題に対する懸念とともに、イランは対話に応じておらず圧力を強めていく必要があるとの認識が示された。

(3)東アジア(含む北朝鮮及び中国)

 菅総理から、北朝鮮のウラン濃縮活動は安保理決議及び六者会合共同声明の明らかな違反であるとして、懸念を表明。その上で、六者会合を通じた非核化を実現するためにも、国際社会としてのしっかりとしたメッセージの発出が重要であり、今般、G8首脳がそろって北朝鮮に対して明確なメッセージを発出したことを評価する旨述べた。また、菅総理から、日EUが共同提案した北朝鮮人権状況決議に言及の上、EU市民も被害者となっている拉致問題を含めた人権状況改善の要求を初めとして、あらゆる面で緊密な連携を維持したい旨述べた。EUより、ウラン濃縮活動は安保理決議違反である、核・ミサイル開発はグローバルな且つ深刻な脅威である旨述べた。

(4)中国

 菅総理から、先週、日中韓サミット出席のために訪日した温家宝総理と会談し、戦略的互恵関係の更なる深化のための協力を強化することで一致するとともに、今般の震災を受け、原子力安全、防災、環境・省エネ、復興支援・観光促進などの協力で具体的な成果を上げることができた旨説明した。また、ファン・ロンパイ欧州理事会議長から、5月中旬の訪中について説明があった。