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UNSCEARが「東電福島第一原発事故に関する報告書」について説明会を開催

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 本年4月2日、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が、福島での原発事故に関する報告書(英語版))を公表したことは、本コラム(第66回コメント)()にて既にお知らせしました。6月には、報告書主文の日本語版 も公表しました()。UNSCEARが、報告書主文を国連の公用語ではない日本語に翻訳したのは初めてのことでした。

 さらにその後、この報告書の内容を現地の方々に理解していただくことを目的として、日本での説明会を開催しました。ここでは、そのあらましについてお伝えします。

 本年9月5日~6日にかけて、福島市と郡山市で第1回の現地説明会が開催され、ラーソン議長をはじめ、クリック事務局長ら合計5名のUNSCEAR関係者が来日しました。福島市の説明会には医師、教師、自治体職員ら約200人が、郡山市の説明会には同じく約150人が参加したようです。

 説明会では、「UNSCEAR福島報告書についての概略(和文) 」()と題された資料が配布され、本資料を用いて「UNSCEAR報告書主文日本語版」についての丁寧な解説がなされました。

 資料では、①UNSCEARとは?、②何についての報告書か?、③UNSCEARはどこからデータを入手したか?、④将来予測は?、⑤線量のレベルは?、⑥一般公衆や小児への影響、⑦作業者への影響、⑧長期的対策、⑨陸域および水域生態系の放射線被ばくと影響、⑩UNSCEARの解析は他の報告と異なるのか?、⑪今後の取り組み、という各テーマについて、一般の方々にもご理解いただけるように説明がなされており、参加者にはおおむね好評だったと報道されています。

 第1回に続いて11月10日~12日には、第2回となる現地説明会が東京ならびに福島で開催されました。このような現地説明会が開催されるのは、60年近いUNSCEARの歴史で実は初めてのことです。こうしたことからも、UNSCEARが福島の原発事故に関する情報発信を非常に重要視している姿勢をうかがうことができます。また、主文のみならず報告書全体の日本語訳についても現在取り組まれており、近い将来公表されると思われます。


佐々木康人
前(独)放射線医学総合研究所理事長
前東京大学医学部教授(放射線医学)
前国際放射線防護委員会(ICRP)主委員会委員
元原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)議長

児玉 和紀
(公財)放射線影響研究所主席研究員兼生物試料センター長
原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)国内対応委員会委員長
元日本疫学会理事長

















参考文献

  1. (1)UNSCEAR 2013年報告書(英語版)「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響」(Levels and effects of radiation exposure due to the nuclear accident after the 2011 great east-Japan earthquake and tsunami)
  2. (2)第六十六回コメント:東電福島第一原発事故に関するUNSCEAR報告について
  3. (3)UNSCEAR2013年報告書主文(日本語版)「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響」
  4. (4)現地説明会で使用した配布資料:「UNSCEAR福島報告書についての概略(和文)」
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